2023 Fiscal Year Annual Research Report
Diabetic Foot Ulcer Healing Enhancement Device via a Novel Glucose Metabolism Promoting Mechanism: A New Horizon of Wound Care Management
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21K18287
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70547827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関野 正樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20401036)
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40372370)
栗田 昌和 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20424111) [Withdrawn]
南 豪 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70731834)
麦田 裕子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00804874)
峰松 健夫 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00398752)
真田 弘美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50143920)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 看護理工学 / 糖尿病足潰瘍 / スマートドレッシング / 低周波振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年世界中の糖尿病患者数が急増しており、糖尿病足潰瘍は予防・治癒すべき重篤な合併症と認識されている。本研究は、非侵襲、非拘束、リアルタイムな看護技術・機器の開発・普及に向けた看護理工学研究によるリバーストランスレーショナルリサーチのモデルケースとして、インテリジェントバイブレーションドレッシング材開発を遂行するものである。低周波振動刺激による創傷治癒促進デバイスをこれまで開発してきたが、糖尿病由来の慢性高血糖によりアルギニンの産生阻害、eNOS(endothelial nitric oxide synthase)活性化阻害、嫌気性解糖系とポリオール代謝の亢進のためNO産生が低下しているため、血管内皮細胞におけるeNOS-NO経路が活性化されず、血管拡張と血流促進は望めないと考えられていた。一方で、低周波振動刺激により糖尿病足潰瘍の治癒促進が臨床的に報告されており、理論と臨床に乖離が生じていた。そこで、そのメカニズム探索並びに創傷治癒促進デバイスの開発に着手した。局所低周波振動刺激を用いた介入により、血管拡張と血流を促しDFUの創傷治癒を促進することを示し、その背景として、低周波振動刺激による細胞内へのグルコース濃度取り込みがAMPK経路を経て促進されていることを発見した。高血糖ラットの全層欠損創モデルを用い、局所低周波振動刺激による炎症の抑制、血管拡張及び血管新生の促進効果を確認した成果に基づき、簡便に使用可能なウェアラブルバイブレーションドレッシングのプロトタイプを作成した。これにより無麻酔で振動刺激を付加することが行うことが可能となり、創部血液量が振動により上昇することを確認した。さらに、創傷の難治化に寄与し得る細胞老化に関連するバイオマーカーが局所低周波振動刺激により低減することも見出し、物理的な刺激によるセノリティクスという新たな現象を提唱し得る成果を得た。
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