Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,コンテンポラリーダンス(社会の中にある様々な問題を学術的,現代的に読み解いていく先端身体表現)により,異なる地域の伝統と現代の芸術を融合させる国際協働芸術作品の創作活動を通し,「デザイン経営」のアプローチの応用・検証を行う。立体的研究を推進するため,舞台芸術 実践,芸術人類学,デザイン経営の異分野を貫き,国内外の研究者,芸術家,地域共同体,劇場,地域メディア,行政,鑑賞者らそれぞれが連携する研究プラットフォームを構築する。直接的な交流や学びから深い理解を得た上でデータや情報を繋ぎ,地域社会のニーズやフィードバック,表現者のコンセプト発信と情報収集を助け,コミュニカティブな全体のマネジメントデザインを考案する。 今年度は,研究対象地域であるアイルランドの各地方と長野県の各地域の異なる文化の伝統音楽・舞踊や儀礼の身体技法をリサーチし,“土地に根づいた文化の伝承・混成・交錯”の現在を考察した。アイルランドの伝統歌唱法・舞踊であるシャン・ノースについて,現代活躍する歌手によるレクチャー・デモンストレーションを研究会にて実施。また,現代のダンスシーンでシャン・ノースの影響がどのように発展しているか,現地で活躍する振付家を招聘し, オンラインワークショップを実施した(一般公開)。日本の伝統芸能については長野県の新野の雪まつりや道祖神祭りについて,文献や視聴覚資料により調査を行った。 アニミズムやシャーマニズムの基層などからユーラシアの東西両極の連続性に着目し,ウズベキスタンのバフシの語りや歌について,カザフスタンのアクンの技芸について,モンゴルの遊牧生活や文化におけるシャーマンについて,それぞれ国内文献調査,および現地とのオンライン研究会にてリサーチを進め,現地および国内の講師(実演家,研究者)を招聘しレクチャー・デモンストレーションを実施した。
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