2022 Fiscal Year Research-status Report
The construction of the research field regarding the cultural continuity of Etruria
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21K18342
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
金沢 百枝 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (10548001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河島 思朗 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80734805)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | エトルリア / ローマ / ロマネスク / 神話 / 美術 / ランゴバルド / 文学 / ギリシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はエトルリア、ローマ、ロマネスクへとつづく文化的連続性に着目し、その受容と変遷を検証することで、当該地域における文化理解に従来とは異なる視座を提示するとともに、新しい研究分野の礎を構築することを目的とする。 本年度は、研究代表者の金沢は、3月に主にエトルリア文化圏であったトスカーナのロマネスク聖堂を実地に見る機会を得、村の名前にエトルリア語が残っている場合でも、聖堂美術についてはより後代のランゴバルド文化の影響を強く感じた。また3月であったので申請は間に合わなかったが、ローマではエトルリア美術を実地調査した。ロマネスク美術は従来、ロマネスクはローマ建築を模した建築様式とされているが、美術においては「ローマ」が手本だったのか可能性については、ランゴバルドという新たなテーマを見出した。また10月に別の科研費を用いて調査を行ったローヌ川流域にもエトルリア遺跡があり、今後は、イタリア国外にも目を向けてゆきたい。 分担者の河島は、神話・伝説に描かれる王政時代のエトルリア王の業績や共和政時代のエトルリア人文化の状況などを分析することにより、ローマにおけるエトルリアの影響を考察した。一方でギリシアの文化的影響も深く、その様相は文学的描写のなかに強く描かれる。それらの関係性について考察を深めることを本年度の重要な課題とした。これらの成果の一部は口頭発表するとともに、論文や単著などによって発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの研究の進歩状況はやや遅れている。国内でおこなうことのできる研究についてはおおむね順調に進んだが、新型コロナウィルスの影響と航空運賃の高騰、ヨーロッパの物価高騰と円安のため、予定していたイタリアでの資料収集や実地調査を十分にはおこなうことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、航空運賃の高騰や物価高騰に備えて、基金を繰り越したため、可能な限り渡欧して研究をおこないたい。
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Causes of Carryover |
燃料費高騰のため燃油サーチャージや航空運賃がこれまでの2倍はかかり、ヨーロッパでの滞在費も物価高騰のため、これまでの予算では行くことができないため。繰り越した分と23年度分を会わせて実地調査費用に充てる計画である。
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