2022 Fiscal Year Research-status Report
中米・カリブにおける感覚のエスノグラフィーに関する実証研究
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21K18363
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
滝 奈々子 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 非常勤講師 (70571553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 光穂 大阪大学, COデザインセンター, 名誉教授 (40211718)
牛島 万 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50306461)
冨田 晃 弘前大学, 教育学部, 准教授 (60361002)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 感性 / エスノグラフィー / 感覚 / グアテマラ / プエルトリコ / ガリフナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も引き続き、新型コロナ感染症の蔓延が懸念されたため、研究代表者のみが現地調査を行った。3名の研究分担者は、次年度からの現地調査に備え引き続き文献資料収集ならびに分析を行った。研究打ち合わせ会議をリモートで2回、対面で1回行い、その間の各人による分析の成果の情報交換をした。 研究代表者の滝は、グアテマラ共和国アルタベラパス県において、ケクチマヤ女性の日常生活における感覚経験について知るため、参与観察を行い、合わせてインタビュー調査との照合をとおして生活実践上における感覚語彙や慣用表現を収集した。また、ケクチ語で歌われる流行歌レゲトンの歌詞を収集し、彼らの情動経験の一端を明らかにした。研究分担者の池田は、感覚のエスノグラフィーに関する基礎資料の収集を行い、年度末に行われた打ち合わせ会議において、その方法論の文献レビューを発表した。同じく、冨田は、ホンジュラス・ガリフナに関する1990年代に採集されたデータを分析し、次年度令和5年度の同地域を含むベリーズおよびグアテマラでの調査に備えた。同じく、牛島は、調査地であるプエルトリコの歴史を押え、プエルトリコ音楽のレゲトンの歌詞の内容分析を行い、そのブラックネス(アフロ性)とジェンダー意識の関係について考察した。これらの成果を牛島は、研究打ち合わせ会議において発表した。 現地調査着手には依然として遅れているが、感覚経験のエスノグラフィーの書記法についてはコンセンサスが研究班全体でできつつあり、次年度令和5年度の感性のグローバリゼーションの比較研究という総合化に向けて準備が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も引き続き、新型コロナ感染症の蔓延が懸念されたため、研究代表者のみが現地調査を行った。3名の研究分担者は、次年度からの現地調査に備え、引き続き文献資料収集ならびに分析を行っている。令和4年度は、研究打ち合わせ会議をリモートで2回、対面で1回行い、その間の各人による分析の成果の情報交換ができ、研究遅れを取り戻した。現地調査への着手には依然として遅れているが、感覚経験のエスノグラフィーの書記法についてはコンセンサスが研究班全体でできつつあり、最終年度の感性のグローバリゼーションの比較研究という総合化に向けて研究の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の滝は、プエルトリコではフォークロア音楽を、グアテマラでは先住民女性の感性研究を中心に調査する予定である。研究分担者の池田は、プエルトリコにはレゲトンを中心としたポピュラー音楽等を、グアテマラではマヤロックを中心とした演奏家たちの活動を調査する。同じく分担者の冨田は、ホンジュラス・グアテマラ・ベリーズのガリフナ文化と音楽について現地調査を行う。分担者の牛島は、プエルトリコの文化と音楽について現地調査を行う。 全員が国内外の学会・研究会等で発表をおこなう。
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Causes of Carryover |
本年度も引き続き、新型コロナ感染症の蔓延が懸念されたため、研究代表者のみが現地調査を行った。3名の研究分担者は、次年度からの現地調査に備え引き続き文献資料収集ならびに分析を行った。研究打ち合わせ会議をリモートで2回、対面で1回行い、その間の各人による分析の成果の情報交換ができ、研究遅れを取り戻しつつある。現地調査着手には依然として遅れているが、感覚経験のエスノグラフィーの書記法についてはコンセンサスが研究班全体でできつつあり、最終年度の感性のグローバリゼーションの比較研究という総合化に向けて研究の進展が見られた。
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Research Products
(7 results)