2023 Fiscal Year Annual Research Report
中米・カリブにおける感覚のエスノグラフィーに関する実証研究
Project/Area Number |
21K18363
|
Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
滝 奈々子 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 非常勤講師 (70571553)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 光穂 大阪大学, COデザインセンター, 名誉教授 (40211718)
牛島 万 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50306461)
冨田 晃 弘前大学, 教育学部, 准教授 (60361002)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 中央アメリカ / カリブ海 / 音楽 / 壁画 / 民族表象 / 先住民 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の滝は2024年1月にグアテマラ共和国アルタベラパス県においてケクチ民族の祭礼音楽と女性支援のNGOグループを観察記録した。あわせて、首都においてサカプルテコ先住民のTuujal Rockのメンバーにインタビューをおこなった。彼らのアイデンティティ表象と音楽表現の深いつながりについて確認した。分担者の池田は2024年2月にプエルトリコのサンファンとポンセにおいて、サルサ音楽を中心に現地調査をおこなった。特にサルサの即興演奏であるソネオに焦点をあて、それらが、エルトリコの伝統音楽であるヒバロからプレナにいたる過程で政府が国民音楽として擁護しその発展に貢献していること、音楽形式にあるデシマ(十行詩)というスタンザ(詩連)でおこなわれる厳格な韻律のルールが、サルサにおいてはソネオと呼ばれる即興作詞のなかに反映されていることなどを見出した。牛島は、2023年8月にプエルトリコのサンファンで調査をおこない、レゲトン音楽とブラックネスについて、プエルトリコ大学の学生にアンケート調査や聞き取りをおこない、2つの学会発表をおこない、レゲトンとブラックネスに関する研究論文を公刊した。冨田は、2023年4月5月にベリーズ、グアテマラ、ホンジュラスのカリブ海沿岸の市町村を訪問し、壁画を中心とした視覚表象を、写真撮影し、収集をした。本年度は本研究課題の最終年度であるために、中間研究発表会をかねた2度の遠隔会議をおこなった。その中では、エスノグラフィーの従来の書記法に加えて「感覚のエスノグラフィー」という観点を取り入れ、先住民社会におけるポピュラーカルチャーとりわけ、音楽・食・絵画・写真・ダンスなどの民族表象が、外部社会との接続により様々な文化要素の世界循環するさまを描き出すための理論的枠組みを引き続き模索した。
|
Remarks |
There may web-pages written chiefly in Japanese are maintained under directly in https://navymule9.sakura.ne.jp/
|
Research Products
(12 results)