2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Sustaibable Support System for Foreign Residents in the Post-COVID-19 Era.
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21K18474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末松 和子 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (20374887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 由紀 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60600111)
新見 有紀子 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (90747396)
奥村 キャサリン 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (30637567)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 技能実習生 / 特定技能外国人 / 外国人労働者 / 定着支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北地方における技能実習生・特定技能外国人受け入れ最大県の宮城県に着目し、水産加工業で就労する技能実習生・特定技能外国人を対象とした以下の研究・支援活動を実施した。 1.技能実習生・特定技能外国人を対象としたパイロット調査:石巻市牡鹿地区、気仙沼市の水産加工業、建築業で働く実習生等への聞き取り調査を実施した。インタビューに事業所の社員が同席するケースもあり、技能実習生が自由に発言できる場が担保されているとはいえない状況であったため、データ収集方法の軌道修正について意識を向ける良い機会となった。2.上記の結果を反映させた本調査の準備:質問紙調査の設問を本研究チーム以外の専門家の話を聞きながら吟味・決定した。日本語で作成した質問紙を技能実習生出身国上位3国(ベトナム、インドネシア、中国)の3か国語に翻し、Google Formを作成した。3.気仙沼の技能実習生管理団体を訪問し実習生のリクルーティング、来日後日本語研修、生活適応支援につきインタビューを実施した。4.技能実習生を受け入れる事業所の社員を対象としたケース・スタディ:インタビュー調査を実施し論文を執筆 5.技能実習生・特定技能外国人との意見交換会・交流会の実施:日本文化(七夕、食文化)をテーマとした交流会を石巻と気仙沼で開催した。6.技能実習生・特定技能外国人が直面する問題に対する啓発セミナーの実施:専門家を招聘し研究会および移民問題に取り組む東北大学生向けのセミナーを実施した。 これ以外に、宮城県との比較研究を行うために、同じく水産加工業で働く茨城県大洗地区の技能実習生・特定技能外国人を対象にインタビュー調査を実施した。さらに技能実習生を含む外国人を対象とした日本語教育プログラムを提供する茨城県国際交流協会を訪問し、ヒアリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
石巻市牡鹿地区、気仙沼市の水産加工業、建築業で働く実習生等への聞き取りパイロット調査では、期待以上の協力者を確保できた一方で、インタビューに事業所の経営者や社員が同席したり、不要な発言を制するような行動を確認したりするなど、技能実習生が自由に発言できる場が担保されないと感じる場面が散見された。これらより、本調査は通常の紙ベースでのアンケートやインタビューではなく、実習生が寮の自室など安心して答えられる環境で、匿名で調査に回答できるWEB調査に切り替える調査方法に軌道修正を行うことにした。 また、上記の結果を反映させた本調査の設問を作成する際、東北大学の研究倫理委員会から数点、修正依頼があったため、調査開始まで少し時間を要する結果となった。しかし、設問をブラッシュアップすることができたため、このプロセスは研究に必要であったと理解している。 場所を問わず、技能実習生を受け入れる管理団体や事業所は実習生を対象とした調査には敏感に反応することが分かったため、入念な関係構築が必要であることをあらためて実感した。 技能実習生・特定技能外国人との意見交換会・交流会は、上記のような技能実習生や事業所の社員の警戒心を解くためには有効であることが分かった。交流をしながら、状況を聞き出すことができたため成功であったと言える。 技能実習生・特定技能外国人が直面する問題に対する啓発セミナーは、東北大学の学生にとってインパクトが大きく有益な内容であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、前半でWEB調査と聞き取りによるデータ収集と分析を進め、技能実習生と特定技能外国人定着におけるプル・プッシュ要因を分析し、コロナ禍が実習生・特定技能外国人および受け入れ企業に与えた影響を検証する。基礎研究で明らかになった課題や要望に基づき、外国人労働者が必要とする日本語教育を含む支援プログラムを開発する。地域社会による相互理解、協働・共修を取り入れた産学官連携外国人定着支援プログラムの開発に向けて、地域のお祭りやイベントを有効活用し、技能実習生と地域住民が学び合える外国人および地域社会のニーズに沿ったプログラムを開発する。継続してプログラムの効果を評価し、PDCAを通して改善に努める。また、このような機会を大学が介入し創出することで、高等教育の地域社会への参画のあり方や、留学生ではない外国人労働者の定着を支援し、多文化共生社会を構築することの意義について検証する。これらの研究成果を論文もしくは書籍で発表する。
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Causes of Carryover |
今年度に実施を予定していたアンケートおよび聞き取り調査が新型コロナウィルス感染症の拡大で中断したこと、また制限された状況ではあったが、実施したパイロット調査より、通常のアンケート調査では信頼しうるデータが収集できないことが分かったためWEB調査に切り替えたことで、調査方法の再考と準備が必要となった。WEB調査にあたっては設問の検討、研究倫理委員会への再申請、翻訳などの作業が生じ、今年度中に基礎調査を終え、分析および交流活動の企画・実施スケジュールを後ろ倒しにする必要が出現した。そのため、予定していた形での研究費の支出には至らなかった。しかし、次年度の調査や交流活動に支出を回すことはでき、調査自体に大きな変更が生じているわけではない。今年度の調査・交流活動企画の積み残しは次年度、しっかり補いたい。
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Research Products
(8 results)