2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K18565
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
山田 憲政 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (00210469)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | フィッツの法則 / 動きの制御 / 情報理論 / 主成分分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間の動きの普遍的な法則の一つにフィッツの法則がある。これは、対象に移動するのに必要な時間が対象までの距離と対象の大きさの関数で表されることを示したもので、現在では、コンピューターのユーザーインターフェースを設計する際にも採択されている人間の行動を表す基本的な法則である。ところがフィッツの法則は、ほとんど知られていないが若干のミスが許容される環境下で導かれた人間の行動法則である。しかし人間は、宇宙での作業、手術における医師の手の動き、ブレーキの適切な押下、各種スポーツ動作などに代表されるように、失敗できない状況に置かれることがある。そこで本研究の目的は、フィッツの実験において失敗できない環境を発案しその環境においてもこの式が当てはまるのかを検討することである。 本年度は、 1)フィッツの実験で用いられている2つの目標を連続してペンでタッピングする動作において、エラー率を0%にする環境を考案した。それは、目標へのタップが失敗するとペンが目標から外れてしまうことが認識できるように、目標を立体にすることにより可能となった。この目標を用いた実験では、15人の参加者の全試技でエラー率が0%になることが確認された。 2)さらに、通常試技と目標を立体にした試技を高速度カメラで撮影し、ペン先の座標をコンピュータに毎秒約200コマで取り込み、ペン先の動きの加速と減速の過程を分析した。 3)その結果、同じ運動難易度でも、2つの試技でペン先の動きの速度と加速度のパターンが異なることが明らかになった。 4)特に目標を立体にした場合、タップ直前にペンが減速する局面が際立ち、さらにその局面では軌道の収束が観察された。そこでその収束過程を軌道を構成する各座標を主成分分析の主軸上に変換してその標準偏差の減少量を用いて定量化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、次のように実験が順調に進み、データ分析にを行なっている。 1)フィッツの実験を失敗率を0%にすることによる条件で実験データを得た。そして、通常試技と失敗が0%に収まる試技のペン先の座標データを得た。 2)ペン先の座標データの速度と加速度のパターンを分析した。そして、通常試技と失敗が0%に収まる試技では、そのパターンが異なることが明らかになった。 3)そのパターンが異なる原因を分析した。その方法として、複数軌道のばらつきの収束過程を主成分分析における第一主成分の標準偏差を用いて行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)現在は、軌道の収束過程を、第一主成分のばらつき(標準偏差)の変化過程から検討しているが、今後は、軌道を構成する座標から時事刻々のエントロピーを計算し、その減少過程から情報の生成について検討していく予定である。 2)失敗できない状況における運動難易度と運動時間の関係を検討し、フィッツが導いた線形関数との比較検討を行なっていく。 2)現在は、手部動作で動きを検討しているが、身体重心の移動が伴う動きにおいても失敗できない環境での動きの変化を検討していく予定である。その方法として、最大力発揮時の動きの制御を実験的に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定の国際学会がオンラインとなり、その旅費を必要な物品費に回したが、繰越し金が生じた。
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Research Products
(2 results)