2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K18575
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植田 一石 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (60432465)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 非可換代数幾何学 / モジュライ空間 / 特異点 / ホモロジー的ミラー対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
英国Loughborough大学のTarig Abdelgadir氏、豪州New South Wales大学のDaniel Chan氏および大阪大学の大川新之介氏と共同で、軌道体射影曲線というクラスのスタックに対して安定性の概念を導入し、安定軌道体射影曲線のモジュライスタックがHassettの意味で安定な重み付けられた点付き曲線のモジュライスタックと同型になることを示した。また、軌道体射影曲線の退化を非可換代数幾何(あるいはAbel圏)の観点から考察し、安定化部分群を持つ点が衝突する極限として、特異点を持つ軌道体ではなく、滑らかな非可換代数曲線(つまり、有限なホモロジー次元を持つAbel圏)が得られることも示した。 Tarig Abdelgadir氏および大川新之介氏と共同で、標識付き非可換3次曲面のモジュライ空間の幾何学的不変式論的なコンパクト化を8次元の射影的トーリック多様体として構成して、それが射影平面上の一般の位置にある6点の配置空間を余次元4の局所閉部分多様体として含んでいる事を示した。 2次のGorenstein K3曲面が持ち得るD4特異点の個数の最大値は4であり、4つのD4特異点を持つK3曲面のモジュライ空間は直交群に関するモジュラー多様体になるが、このモジュライ空間を具体的に記述し、対応する保型形式環の生成元の次数と関係式を決定した。 英国Imperial College LondonのYanki Lekili氏と共同で、Brieskorn-Pham特異点のMilnorファイバーのRabinowitz深谷圏に対するホモロジー的ミラー対称性を証明した。その系として、Rabinowitzフレアホモロジーが同変行列因子化のなす微分次数圏のHochschildホモロジーと同型になる事が分かる。
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