2022 Fiscal Year Research-status Report
過去100万年規模の宇宙線起源81Kr変遷の復元による地下水絶対年代測定法の提案
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21K18921
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
太田 朋子 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (30373020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 卓見 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (90335240)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 環境放射能 / 地下水 |
Outline of Annual Research Achievements |
高レベル放射性廃棄物(HLW)の処分サイトの選定は国際社会における課題である。地下深部の埋設部より放射性核種が滲出したときに、核種が地下深部を移動 できる駆動力は地下水のみである。本邦の堆積岩地帯のフィールドで地下深部の核種情報、地下水年代(涵養時間)、地下水の起源情報を得るため以下の項目を実施した。 1)堆積岩地帯の長岡地域およびその周辺の地質・地理情報等の調査を行った。実地調査で得られた情報を基に,現地の採水(放射性希ガス, 地化学情報, 放射性核種)で活用できる装置の製作・改良を行った。降雪の時期の調査にも対応できる装置の試作も行い、冬季の地下水のフィールド調査も可能となった。 2)長岡地域の堆積岩地帯で地下水のフィールド調査を行った。フィールドで得られた地下水中の主要元素(陽イオン、陰イオン)をイオンクロマトグラフィーとICP-OESで分析を行い、水質情報を得た。地下水中の水同位体比(δD, δ18O)は安定同位体比分析装置(質量分析法)で実測を行った結果、分析した大部分の地下水の由来は天水および河川水起源と推定された。 3)長岡地域でボーリング調査から複数深度の堆積岩の採取を行った。帯水層に相当する地層中の堆積岩を選定し、数地点の深度の岩石中のU系列核種の一部の実測を行った。 4)地下環境の変化に伴う放射性希ガスの放出挙動を室内試験で再現する手法を模索し、室内実験系の確立を行った。放出された放射性希ガス濃度の実測を行い、定性情報を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィールドワークが遅れているため、分析等も遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ボーリング調査で得た堆積岩のウラン同位体、主要・微量元素の定量を行い、地下深部から表層の濃度プロファイルの取得を行う。 2)長岡地域で地質・地理条件の異なる数地点で放射性希ガスの観測を行い、地下水年代評価を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍でフィールドワークの遅延が大きいため、次年度使用額が生じた。研究期間を延長行い、成果を確実に出すことを目指している。
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