2021 Fiscal Year Research-status Report
一過性発現法を用いた希少さび病菌由来エフェクター候補遺伝子の探索
Project/Area Number |
21K19110
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
平塚 和之 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (30202279)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
Keywords | 一過性発現 / アグロバクテリウム法 / 発光レポーター / 植物病原菌 / さび病菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
一過性発現解析法を用いたエフェクター能の評価系について検討した。予備実験として、アグロバクテリウム法に用いるT-DNAベクターの高効率発現カセットの作成を試み、pUC19由来のpBIベクターを用い、遺伝子銃による一過性発現ベクターの性能評価を発光レポーター系を用いて実施した。具体的には、既存の報告に倣って、ターミネーターの変更と、プロモーターおよび5'非翻訳領域の検討を行った。また、アグロバクテリウム法の効率を向上させることを目的として、ジャスモン酸メチルのアゴニストである新規化合物N-[5-(Trifluoromethyl)pyridin-2-yl]benzenesulfonamideを感染時に添加する手法についても検討し、多穴プレートを用いた一過性発現実験においても有効であることを確認した。 一方、これまでのメダケ赤衣病菌(Stereostratum corticioides)の冬胞子塊を試料として、様々な核酸抽出方法についてジルコニアボールと振盪式ホモジナイザーを用いる方法なども含め新たに検討してきたが、一定量のDNA試料を確実に得るためには、DNAの低分子化は避けられず、解決すべき今後の課題として残された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
さび病菌からの核酸抽出法は想定していた以上に困難(機械的剪断力による低分子化)であり、実験手法上のブレイクスルーが必要であることが改めて認識され、NGSを使用した解析には至っていないことから「やや遅れている」と判断する。一方、一過性発現系に関する実験については予定どおりの進捗があった。
|
Strategy for Future Research Activity |
高分子・高品質ナDNA試料を得るための努力は継続するが、低分子化した試料を用いてNGS解析に進むことも考慮したい。一過性発現系に関する研究方針は継続し、パイロット実験として、既知エフェクターを用いる試験系の実施についても検討したい。
|
Causes of Carryover |
関連研究課題である別課題の研究期間延長による研究計画の変更と、外注予定を次年度に持ち越すこととしたため。主にNGSを利用した解析のためのDNA抽出精製と、外注による配列情報の取得に使用する計画である。
|