2022 Fiscal Year Research-status Report
一過性発現法を用いた希少さび病菌由来エフェクター候補遺伝子の探索
Project/Area Number |
21K19110
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
平塚 和之 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (30202279)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 一過性発現系 / アグロバクテリウム法 / 発光レポーター / 植物病原菌 / さび病菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに進展させた白色96穴多穴プレートを用いた一過的評価・実験系にさらなる改良を加え、384穴多穴プレートを用いた系においても、アグロバクテリウム法による一過性発現系が実施可能となった。具体的には使用するアグロバクテリウムの培養時の処理方法(温度、濃度など)について最適条件を模索した。これにより、スループットは大幅に向上し、エフェクター活性の実験にも使用可能となった。また、前年度に見出されていた、ジャスモン酸メチルアゴニスト(N-[5-(Trifluoromethyl)pyridin-2-yl]benzenesulfonamide)とは異なる新規低分子化合物が、一過性発現効率のエンハンサーとして合成化合物ライブラリーから見出された。ウクライナ危機の影響で、当該化合物の追加購入が難航し、これまでの所十分な特徴づけには至っていないが、研究費が得られれば受託合成サービス等を用いて対応するか、類似化合物を新規購入することなどが考えられる。 一方、メダケ赤衣病菌(Stereostratum corticioides)の冬胞子堆からの核酸抽出法については、低分子化の回避よりもDNA抽出効率を重視し、全ガラス製のポッター式ホモジナイザーをゴム製ジョイントで電動モーターに連結して使用することとし、破砕液に対して、フェノールクロロホルム抽出操作の前に、プロテイナーゼKを高濃度SDS存在下で作用させる方法が有効であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の成否は、一過性発現系の高効率化にかかっているため、アグロバクテリウム法による発現効率の向上に研究を集中させたため、ゲノム情報の取得が予定よりも遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
一過性発現に関しては、引き続き、その高効率化に取り組み、384穴のハイスループット系の確立を目指す。高性能化が達成出来れば、汎用性の高い実験系として、他の研究目的にも有効活用が可能である。一方、ゲノム情報の取得に関しては、比較的短い塩基配列情報であっても解析情報を集積することを優先して研究を実施する。具体的には、平均20K塩基対以下の断片であっても、NGS解析(外注)を行い配列情報を得る。
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Causes of Carryover |
一過性発現系のハイスループット化を優先して実施したので、外注によるゲノムDNAの解析が先送りとなってしまったため。主にNGSを用いた外注費として支出する予定である。
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