2022 Fiscal Year Research-status Report
マルチリーダー・フォロワーゲームによる双方寡占市場モデルの開発
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21K19170
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 幸嗣 九州大学, 農学研究院, 教授 (20274524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昂也 九州大学, 農学研究院, 助教 (70757955)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 双方寡占市場モデル / 価格支配力の内生化 / マルチリーダー・フォロワーゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
実際の農産物市場は、農業と非農業の両サイドが買いたたき等の価格支配力を持つ双方寡占市場であり、農業生産・流通技術の進歩や農業政策がもたらす農業所得増大の大きさは、非農業サイドの価格支配力に対する農業サイドの拮抗力の大きさ次第である。農業と非農業の両サイドの価格支配力を定量的に分析するにあたっては、市場の需給量や価格に加え、両サイドの価格支配力の決定メカニズムをモデル化(内生化)した双方寡占市場モデルが必要となる。本研究の目的は、モデルをマルチリーダー・フォロワーゲームとして定式化することにより、価格支配力を内生化した双方寡占市場モデルを開発することである。 本年度の主な研究成果は、次のとおりである。 1.非農業サイドの各経済主体をリーダー、農業サイドの各経済主体をフォロワー、両サイドの各経済主体の価格支配力をマークアップ率として設定したうえで、双方寡占市場モデルをマルチリーダー・フォロワーゲームとして定式化した。また、以上のマルチリーダー・フォロワーゲームの均衡解を求めるコンピューター・プログラムの構築を行った。 2.牛乳のホームスキャンデータおよび需要体系モデル(LA/AIDSモデル)を用いて、時系列データの特性を考慮したうえで、企業間の競合度や自己価格に対する需要の反応の程度を明らかにした。また、牛乳の家計消費データおよびローリングウィンドウ法を用いて、時系列データの特性を考慮したうえで、消費者の牛乳需要(所得および自己価格に対する需要の反応の程度、嗜好の変化)の時系列変化を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
双方寡占市場モデルのマルチリーダー・フォロワーゲームとしての定式化、及び牛乳の需要関数の推計については、ほぼ順調に進んでいる。しかし、生乳の費用関数について推計が終了しておらず、マルチリーダー・フォロワーゲームの均衡解を具体的に求めるには至らなかった。以上より、本研究はやや遅れていると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、本年度開始することができなかったマルチリーダー・フォロワーゲームの均衡解の求解について、次年度のできるだけ早い段階で遂行する予定である。次に、次年度予定している研究計画を着実に遂行する予定である。
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Research Products
(2 results)