2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a method to determine RNA-protein complex by cryo-EM
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21K19201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 良和 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20374225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 武司 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (20719447)
長尾 翌手可 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (30588017)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | RNA-タンパク質複合体 / クライオ電顕 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNAは多岐にわたる重要な役割を担う生体高分子化合物である。多くの場合、RNAはパートナー蛋白質と複合体を形成することにより複雑な生体反応を実現している。そのため、RNAの機能を理解するにはRNAと蛋白質の複合体の構造を原子レベルで明らかにすることが鍵となる。本研究では、RNA配列をリボソームRNAに挿入して表面に露出させ、ここに結合するタンパク質を結合させることにより、「RNA-蛋白質複合体」をリボソーム表面に形成させ、これを丸ごと構造解析する技術を開発することにより、RNA科学の研究領域を加速することをめざす。2021年度は、立体構造に基づきリボソーム上のRNAの挿入部位を検討し、5箇所のRNAループ領域を選出した。さらに、これらの部位に目的のRNA配列を挿入した変異リボソームを作成した。リボソームRNA遺伝子の欠損大腸菌に任意の配列のリボソーム遺伝子を乗せたプラスミドを導入し、これを培養することで変異リボソームを調製した。いずれの設計においても良好に大腸菌は生育し、設計に問題がなかったことが確認できた。また、挿入したRNAに結合するタンパク質を調製した。大腸菌発現系を用いて、3種類のタンパク質を可溶性分子として大量発現させた。2つのタンパク質については良好に発現したが、一つについては発現量が少なく、また、大腸菌内のRNAと強く結合しており、十分な量の試料を得ることができなかった。今後、試料調製法を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の核となる任意の配列を導入したリボソームの創製について、複数のコンストラクトで成功しており、順調に研究が進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に作製したRNA提示リボソームとこれに結合するタンパク質の複合体を作製し、クライオ電顕単粒子解析を行うことが今後の課題である。また、2021年度に十分な量の試料を得ることができなかったタンパク質については、発現量を向上させるための方策を立てることも必要である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大に伴う半導体不足の影響で、2021年度に注文した計算機が2022年度に納品されることとなったため。
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Research Products
(8 results)