2022 Fiscal Year Research-status Report
Roles of epigenome readers in environmental adaptation
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21K19513
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
日野 信次朗 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (00448523)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | クロマチン / 環境応答 / 細胞記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境摂動によって表現型が決定される現象は、自然界ではしばしば見られる。近年、同様の現象がヒトの体質形成や疾患発症にも関係すると考えられている。本研究は、このような現象の基盤となる環境応答性エピゲノム記憶形成機構の解明を目的として実施している。 本年度は、筋芽細胞を用いて一過性ストレスに対するクロマチン構造変換をATAC-seq法により検討した。この結果を元に、細胞記憶形成に関わるクロマチン制御因子の候補を同定し、これらの機能解析を実施した。 また、ミトコンドリアストレスに応答してクロマチン構造変換を誘導する分子機序を解明した。その仕組みは、代謝ストレス応答転写因子c-Junと物理ストレス応答転写因子TEAD/YAPとヒストン修飾因子群の共役により成り立っていた。 これらの成果は、環境ストレスが細胞レベルで記憶される仕組みの一端を明らかにするものであり、代謝疾患等様々な慢性疾患の病態解明に貢献する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、本年度までに環境ストレスに対するクロマチン構造の長期変化の全体像を解明することができ、制御因子の候補を同定することができた。また、ミトコンドリアストレスを感知してクロマチン構造変換を行う分子機構を解明することができた。これらの成果は当初の研究目的に大きく貢献するものであるため、本課題は順調に進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの進捗を踏まえて、環境応答性エピゲノム記憶形成の詳細な分子機序の解明と生体内における実態解明を目指して研究を実施する。 1. 環境応答性エピゲノム記憶形成の分子機序 これまでに同定しているエピゲノム形成因子の機能解析を行う。エピゲノム形成における役割の解明や相互作用タンパク質の同定等を試みる。さらに、新たな制御因子の同定を機能スクリーニングにより実施する。 2. 環境応答エピゲノム記憶の生体内における実態 これまで培養細胞を用いた実験により見出したエピゲノム・クロマチン構造変化が実際に生体内で検出できるかを検討する。また、環境応答エピゲノムの生体維持における役割を検証する。
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Causes of Carryover |
本年度までの結果を踏まえて、大規模なNGS解析やスクリーニングを実施するため、相応の資金を要すると判断した。
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