2023 Fiscal Year Annual Research Report
無痛分娩をうけた母児の長期予後~懸念の払しょくからアドバンテージの探索へ
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21K19639
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (20362189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋永 智永子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40402333)
谷口 美づき 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (60402319)
成瀬 智 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (90647611)
朝羽 瞳 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (20869515) [Withdrawn]
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70263085)
高橋 長秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (50846714)
Rahman Md.Shafiur 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任講師 (60874360)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 分娩麻酔 / 神経発達 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
分娩時硬膜外麻酔(LEA)は、分娩時の痛みを管理する標準的な方法である。LEAは新生児に直接的な影響を及ぼさないが、小児の神経発達に対する長期的な影響は不明である。最近の2つの大規模研究は、LEAと自閉スペクトラム症(ASD)との関連性を指摘したが、そのほかの研究では一貫した結果が得られていない。昨年度に行ったメタ解析は,LEAとASDとの関連が否定的であることを示したが,今年度は,浜松母と子の出生コホート研究(HBC Study)に参加した小児を対象とする詳細な検討を行った。すなわち,分娩時のLEAの有無と8歳の自閉症特性とを疫学的手法により解析した。810名の8~9歳児が参加した。うち,68名が出生時にLEAにより生まれていた。LEAの投与は、35歳未満の母親の間でより一般的であった(37.5%)。多変量解析の結果,LEAは、自閉症特性を反映する社会応答尺度(SRS-2)の総Tスコア、RRBスコア、SCIスコアと関連していなかった。この関連は,ASDに対する危険因子である父親の年齢や,児の身体発達の危険因子となりうる母体の妊娠期・産褥期のさまざまな要因(喫煙など)を調整した後も、変わることはなかった。結論として、LEAは,自閉症特性と関連していないことを指摘できる。この結果の確証を得るためには,さらなる追試が必要である。
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