2023 Fiscal Year Annual Research Report
Collaborative remote learning program through using virtual reality environment that enhances clinical reasoning about living at home
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21K19685
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉岡 京子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (00708951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 仁 目白大学, 看護学部, 教授 (10512361)
島田 恵 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (20505383)
大槻 麻衣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30609095)
岡本 有子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (60363785)
角川 由香 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70884550)
三浦 貴大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80637075)
本田 千可子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80845751)
茂木 りほ (岩崎りほ) 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (40760286)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 家での暮らし / virtual reality / 教育プログラム / シミュレーション / 臨床推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、初年度に世帯人数毎に3種類のシナリオを開発した。また、個人・家族の健康状態をアセスメントする際に、家の中で観察すべきポイントを事前に検討した。Virtual Reality(VR)とビデオ教材を作成し、2年目に行ったヒアリング調査により、家庭訪問の経験を持つ看護職5人が教材の内容妥当性を確認した。また、臨地実習で家庭訪問を経験済みの第4学年看護学生3人がパイロット調査に協力し、フィージビリティを確認した。3年目に実施した本調査は、ランダム化比較試験のデザインを採用した。第3学年79人の看護学生が参加した。対照群の1名が分析拒否の意思を示したため、除外して78人(介入群・対照群ともに39人)を分析対象した。その結果、介入群・対照群ともに臨床推論スキルに関する自己認識は有意に改善したが、群間差は認められなかった。学生の自由記載を分析した結果、介入群では、実生活への没入感に関するコメントが見られ、対照群では評価に関するコメントが多かった。また、ヒアリング調査に参加した看護職と本調査に参加した学生の視線を比較した結果、事前に設定したArea of Interestへの注視時間と回数には群間で分散に差が生じていた。学生はあたりを見回すために首をローリングする動作が有意に多く、看護師は素早く観察するための急速眼球運動であるサッケードの回数が有意に多かった。介入の質と教育の平等性を担保するため、VRとビデオ以外の部分は同じとなるように工夫したが、VR操作の慣れに時間を要し、結果的にアセスメントに集中できる時間に差が生じてしまい、教育効果を実証できなかった可能性がある。一方、看護職は学生よりも一貫して観察している可能性が示唆された。看護職の「家での暮らし」を観察する視線を可視化出来たため、学生や新任期の看護職に共有することで臨床推論力のさらなる向上に貢献できる可能性がある。
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