2022 Fiscal Year Annual Research Report
Recovery of valuable elements from lithium-ion batteries
Project/Area Number |
21K19856
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
望月 友貴 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (90546087)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | リチウムイオンバッテリー / 塩素化 / 酸化 / 揮発分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は塩素化/酸化法によるLiCoO2,LiNiO2,LiMnO2からのLiとCo,Mn,Niの選択的分離法の検討を実施した。また、塩素化/酸化法と塩素化/水浸出法による LIB 構成元素の選択的分離回収効率の比較を行なった。前年度では塩素化処理のみではいずれの試料も Li, Ni, Co, Mn の揮発は700oC 以上から認められ、LIB 構成元素を個別に揮発分離させることは困難であった。上記塩素化処理後の固相中には各元素の塩化物種の存在が認められたことから、Li, Co, Ni, Mn の塩化物を用いて、それらを空気中で熱処理したところ、Liは800oC 以上から重量減少が観測されたのに対して、Ni, Co, Mn では600-700oC 以上で重量減少が開始し、Li を除いて1000oC までに約半分が固体中に酸化物として残存した。前者と後者では重量減少挙動と固体としての残存率が異なったことから空気酸化による揮発分離の可能性が示された。そこで、各Li種を600oCまで塩素ガス中で熱処理した後、雰囲気を空気に切り替え1300oCまで加熱した際の各温度でのLiとCo,Mn,Niの揮発率を調べた。LiCoO2,LiNiO2,LiMnO2を600oC まで塩素化処理した後に Air 中で加熱することで Li と Ni, Co, Mn を選択的に分離可能であることが見いだされた。LiCoO2,LiNiO2,LiMnO2を600oC まで塩素化処理した試料の水処理と1300oC までの空気酸化法での元素回収率、選択率を比較した結果、空気酸化法で高い回収率、選択率が得られることが明らかになった。
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