2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of the musical role of "the international exposition festival" in the Vienna World Exposition
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21K19946
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
倉脇 雅子 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 研究協力員 (10908859)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Keywords | ウィーン万博150周年 / ヨハン・シュトラウス / 民間外交 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1873年開催のウィーン万国博覧会の会期中に行われた大規模音楽祭である「万国博覧会祭」を対象とし、ウィーン博においてこの音楽祭が果たした役割を考察することを目的としている。 今年度は、1873年のウィーン博における万博祭の研究における三つの課題(ウィーン男声合唱団、J. シュトラウス、軍楽隊)のうち、J. シュトラウスと万博の関係について研究を行った。 今年は、ウィーンでの第2回資料調査を行った。2023年はウィーン博の開催150周年であり、予定したオーストリア公文書館、オーストリア国立図書館、ウィーン市庁舎図書館での調査のほか、シュトラウス博物館、ウィーン世界博物館、MAKミュージアムウィーン、ウィーン技術博物館でのウィーン博周年の特集の調査を行うことができた。 シュトラウスの万博での初演は1867年のパリ博である。これは、パウリーネ・フォン・メッテルニヒ(1836-1921)の後援によるもので、1872 年にボストンで開催された「アメリカ独立100 年祭」につづき、ウィーン博プラーター会場での公演を任された。ウィーン博の会期中、日々のオーケストラ公演において指揮をユリウス・ランゲンバッハ(1823-1886)が務めていたが、主要行事の際にはシュトラウスが行っており、万博祭もその一つであった。万博祭では総勢4,000名からなるオーケストラの指揮を行い、皇帝ヨーゼフ臨席のもと主催者発表で10万人の観客を動員した。ここから万国博覧会や平和の祭典という場でのシュトラウスの民間外交のありさまが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パンデミックの状況を鑑み変更していた第2回現地資料調査を実施することができた。これに加えて文献での調査を行い、その成果を学会と一般に向けた講座(演奏と講演)にて発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、第3の課題である軍楽隊に関する資料研究を行う。そして過去3年間に文献調査等により明らかとなった研究成果を踏まえ、各課題の小括と万博祭全体のまとめを行い、成果発表を行う。
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Causes of Carryover |
2023年12月26日に開催した公開講座のなかで、登壇者との打合せ日程変更により謝金額に変更が生じたため、1,510円の誤差が生じた。この金額は、必要資料(書籍)購入費用の一部として使用する。
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