2021 Fiscal Year Research-status Report
統計データ利活用推進に資する擬似的なミクロデータの作成方法に関する研究
Project/Area Number |
21K20133
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高部 勲 立正大学, データサイエンス学部, 教授 (30909619)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 公的統計 / ミクロデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
公的統計ミクロデータを用いた疑似的なミクロデータの作成・分析を行う前の準備段階として、諸外国におけるSynthetic Dataの手法に基づく疑似的なミクロデータの作成方法に関する事例や文献等の調査を行い、必要となる手法について理解・整理を行った。また、公的統計ミクロデータを用いた研究の前段階として、小規模な商用データ及び社会生活基本調査の匿名データを用いて、Synthetic Dataの手法に基づく疑似的なミクロデータを試作し、その性質についての分析・検討を行うとともに、我が国の制度の下でのSynthetic Dataの手法の利用可能性について検討を行った。こうした手法の整理・試作・分析・検討の結果、我が国の制度を踏まえた上で、適切な手法により、疑似的なミクロデータを作成することは可能であるとの結論を得た。 これらの一連の研究成果については、「統計研究彙報」等の学術論文誌に投稿し、掲載された。また、統計関連学会連合大会、公的統計ミクロデータ研究コンソーシアムシンポジウム等の場で発表・報告を行い、研究者・有識者からの有益な意見・示唆を得ることができた。これらの成果を基に、公的統計ミクロデータの利用申請手続きを行い、2022年度からのデータ利用の許可を得た。 さらに、総務省統計データ利活用センター、和歌山県データ利活用推進センター及び滋賀大学を訪問・意見交換を実施し、国・地方の地行政機関や大学における疑似的なミクロデータのニーズや教育利用などについての情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
諸外国における事例や文献調査などにより、必要となる手法の整理・検討を行うとともに、今後の研究に必要となる公的統計ミクロデータの申請手続きを行い、データの使用許可を得ており、疑似的なミクロデータの作成に関する準備を適切に実施することができている。 また、公的統計ミクロデータを用いた研究の前段階として、小規模な商用データ及び社会生活基本調査の匿名データによる疑似的なミクロデータの試作を行うことにより、Synthetic Dataの手法の適用可能性を検討し、それらの結果について学術論文誌への掲載や研究報告を実施するなど、方法論の基礎的な研究を適切に実施することができている。 さらに、国・地方の行政機関や大学との意見交換を実施し、疑似的なミクロデータの必要性について多くの情報を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
諸外国における事例や文献調査などにより得た情報や、小規模な商用データ及び社会生活基本調査の匿名データによる疑似的なミクロデータの試作を行うことにより得られた結果を基に、公的統計ミクロデータミクロデータを用いた疑似的なミクロデータの作成・分析を行い、元のデータとの比較検証、有効性の確認、教育等への利用可能性の検討等を行う。 これらの研究を通じて得られた結果について、学術論文誌や研究大会等において成果の発表・報告を行う。
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Causes of Carryover |
各所との意見交換や学会等での報告の際に得た意見・示唆から、より適切かつ有力な手法の候補が広がったことから、参考文献等の更なる精査が必要となり、より適切かつ必要な文献や必要となるソフトウェア・機器等の検討・選定に時間を要した。 また、上記の結果により、さらなる意見交換の必要性や研究報告の必要性が生じたことから、訪問先や報告する場の検討・選定にも時間を要した。 上記の検討結果を踏まえ、必要となる文献・機器・ソフトウェアの入手や更なる意見交換、報告に使用する予定である。
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