2021 Fiscal Year Research-status Report
技術科における「サイバニクス技術」に関わる題材開発と実践評価
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21K20205
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
川路 智治 茨城大学, 教育学部, 助教 (90909201)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 技術教育 / サイバニクス技術 / 計測・制御 / システム工学 / IoH |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究成果の一つとして、技術科で習得させるべきサイバニクス技術に関する指導内容の抽出と体系化を行った。その目的は、人とロボット、IT技術を融合した技術に関する指導内容を明らかにすることである。サイバニクス技術の関連資料とサイバニクス技術に関わる技術要素のヒアリングを行った。サイバニクス技術の指導内容はサイバニクス技術の仕組み、サイバニクス治療の効果、バイタルセンシング技術であると考えられた。 研究成果の二つ目として、サイバニクス技術を指導するための教材と指導方法を検討した。その目的は、人とロボット、IT技術を融合した技術に関する指導内容を適切に習得させる教材と指導方法を明らかにすることである。サイバニクス技術が適用されている装着型サイボーグHALを2ヶ月間レンタルし、大学生を対象とした試行実践を行った。サイバニクス治療を理解させる教材として腰タイプのHALが活用できると考えられた。また、バイタルセンシング技術を理解させる教材として単関節タイプのHALが活用できると考えられた。 研究成果の三つ目として、サイバニクス技術を技術科の授業として扱うための題材の開発を行った。その目的は、2022年度の中学生を対象とした授業実践の準備をすることである。授業の実践者と意見交換を行い、サイバニクス技術に関する指導内容を適切に習得させるための題材の開発を行った。また、装着型サイボーグHALを開発したCYBERDYNE社と教育目的でのレンタルの方法等についての協議を重ねレンタル契約を結んだ。 これらのことから、本研究課題の目的である人とロボット、IT技術を融合した技術に関する指導内容と指導方法の確立に関する示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術科で習得させるべきサイバニクス技術に関する指導内容の抽出と体系化をすることができた。また、指導内容を理解させるための教材を選定し、題材の開発を行うことができた。これらのことから、人とロボット、IT技術を融合した技術に関する指導内容と指導方法を確立に関する示唆を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に開発した題材を実践協力校4校において授業実践する。授業実践後は実施前後のアンケート結果の集計、生徒のワークシートの記述、授業の様子からプロトコルデータをとり提案題材の有効性や課題を分析する。分析の結果から、サイバニクス技術教育の有効性と課題・可能性について知見を得る。
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Causes of Carryover |
本研究課題では,2022年度にCYBERDYNE社よりHALをレンタルする予定である。2022年度に配分される助成金だけではHALのレンタル料が足らないため,2022年度の研究推進を見越して2021年度分を繰り越した。
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