2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a whole-body exposure reduction method using deformable neutron shielding materials for BNCT
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21K20521
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
柿野 諒 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(助教) (00908379)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / BNCT / 全身被曝 / 可変型中性子遮蔽材 / モンテカルロシミュレーション / 医学物理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では,切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌に対するホウ素中性子捕捉療法(BNCT)が保険適用となっており,次世代の革新的放射線治療として期待される.BNCTは抗腫瘍効果が高い治療法である反面,照射野外に散乱される中性子フルエンスが大きい弱点がある.これは,BNCTで使用される中性子がX線と比較して直進性が低く,空気と相互作用を引き起こしているためである.そのため,腫瘍部位の周辺にある危険臓器や全身にも高線量が照射される危険性がある.しかし中性子の拡散性を要因として,中性子の局所遮蔽手法は確立されていない.本研究では,患者個々に最適な形状可変中性子遮蔽材と遮蔽法を開発することで,BNCTの高い治療効果を維持しつつ腫瘍近辺の危険臓器の線量,及び,全身被ばく線量を低減させることを目的とする. 2021年度は,可変型中性子遮蔽材のプロトタイプと水ファントムを用いた測定実験を行い,深部熱中性子フラックスの測定を行った.治療計画装置とのコミッショニングを行うことで,治療計画装置上でも線量分布を計算することが可能となった.危険臓器に近い腫瘍に対してBNCTを行う場合,危険臓器にも高線量が照射されることが懸念されるが,可変型中性子遮蔽材を用いることで,局所的な熱中性子成分を減弱させることを明らかにした.BNCTは危険臓器の線量を基に,照射量が決定されるため,局所遮蔽を行うことにより,腫瘍線量を増加させることを可能とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,可変型中性子遮蔽材のプロトタイプを用いた深部熱中性子フラックスの測定及び,周辺危険臓器の線量低減可能性を評価した.研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,複数の可変型中性子遮蔽材を用いた測定実験を行い,モンテカルロシミュレーションとの比較を行い,更なる有用性を評価していく.また,臨床を想定した条件でのファントム実験を行い,より複雑な条件での熱中性子フラックスの測定を行い,妥当性評価を行っていく.
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Causes of Carryover |
外国旅費に計上していた研究費がCOVID-19の影響で使用できなかったため,次年度使用額が生じた.次年度は海外学会の参加や,新規可変型中性子遮蔽材を開発するために必要な設計費等に研究費を使用する予定である.
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Research Products
(1 results)