2023 Fiscal Year Annual Research Report
ROCKシグナルを標的とした犬悪性黒色腫の新規治療法の探索
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21K20614
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 洋介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (50912549)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 犬悪性黒色腫 / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、PDPNノックアウト細胞株および親株のin vitroおよびin silico実験にて明らかにしたPDPN-ROCKシグナルを介した間葉-アメーバ転換の促進機構について、さらなる詳細解析、in vivo解析、人の粘膜型悪性黒色腫との比較in silico解析を行った。その結果、PDPNノックアウト細胞株では間葉-アメーバ転換を示唆するシグナル変化が生じていることをWBアッセイにて実証し、さらに、PDPNノックアウト細胞株に再びPDPNを強制発現するレスキュー実験により、それらシグナルの再活性化および表現形の回復を認め、犬悪性黒色腫による間葉-アメーバ転換の促進機構がPDPNに依存した現象であることを明確に実証することに成功した。さらに、皮下移植マウスモデルおよび肺転移マウスモデルを用いて、PDPNのin vivo機能を評価したところ、両モデルにおいて、PDPN欠損により間葉-アメーバ転換の誘導が抑制され、腫瘍径の増大が抑制され、肺転移結節の個数が減少することを明らかにした。また、希少がんである人の粘膜型悪性黒色腫と犬の粘膜由来の悪性黒色腫におけるPDPNの機能のin silico比較解析を人および犬患者検体由来RNAseqデータを用いて解析したところ、人においてもPDPN高発現患者は有意に予後が短く、さらに、PDPNに関連した間葉-アメーバ転換誘導関連遺伝子の発現パターンも酷似していた。 本研究では、犬悪性黒色腫における標的分子ROCKの上流制御機構として、PDPNを同定し、下流制御機構として、間葉-アメーバ転換誘導を同定し、前臨床研究により、それら経路の阻害により抗腫瘍効果が得られることを実証した。さらに、犬悪性黒色腫で得られた知見は人の粘膜型悪性黒色腫にも応用できる可能性を提唱することに成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Podoplanin expressed on cancer-associated fibroblasts inhibited anti-tumor immune response2023
Author(s)
Shoma Koseki, Masahiro Shinada, Daiki Kato, Namiko Ikeda, Susumu Aoki, Takaaki Iguchi, Shiyu Qin, Ryosuke Ota, Hayato Shibahara, Takahiro Kako, Yuko Hashimoto, Yosuke Takahashi, Naohiro Takahashi, Yukinari Kato, James Chambers, Kazuyuki Uchida, Nagaharu Tsukiji, Katsue Suzuki-Inoue, Ryohei Nishimura, Takayuki Nakagawa
Organizer
Veterinary Cancer Society Annual Conference 2023
Int'l Joint Research
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