2021 Fiscal Year Research-status Report
Creating Taiwan MONYO Design Archive: Documentation for Indigenous Cultures of Ethnic Minorities in Asia
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21KK0002
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
深津 裕子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (20443145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝又 公仁彦 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (10897523)
ヲノ サトル 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (20407836)
佐々木 成明 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (60350245)
チン ホウウ 多摩美術大学, 大学院美術研究科, 助教 (80838590)
村尾 静二 清泉女学院大学, 人間学部, 講師 (90452052)
JANG Bitna 多摩美術大学, 美術学部, 助手 (90913731)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 文様 / アーカイヴ / 台湾 / 少数民族 / デザイン / 芸術資源 / アート / デザイン教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究者らは文化の諸相を「文様という人間が創造したヴィジュアルイメージ」により検証し、その成果でアート&デザインアーカイヴを構築し、それを用いた新たな創造による芸術作品やデザインを導きだす研究及び教育活動を推進している。本研究では台湾でのグローバル化に伴い消失する少数民族文化を研究対象に、台湾の文様デザインアーカイヴを創造し、アジアのアート&デザイン教育に役立てる研究に着手した。台湾の先住民族(以下、台湾原住民)は、日本の沖縄やアイヌの人々と同様に、自然と共生した生活の中で祖先や自然を崇拝しアニミズムを信仰し独自の言語や文化を形成してきた。身体装飾をはじめ生活用具、家屋、船、宗教儀礼用品を装飾する文様は、各部族の世界観を表し、歴史的なプロセスと文様創造の作法の記録でもある。本研究ではこのような芸術資源について理解を深めるために日本国内で基礎的な文献資料・写真資料を収集した。 本年度はコロナ禍による台湾での渡航制限により、現地での調査を全く実施することができなかった。そのため研究者らは各自、日本国内で台湾原住民に関する情報収集を都内図書館や博物館及びデータベースリサーチにより行った。台湾側研究者とはオンラインによるコミュニケーションを取りながら渡航制限が緩和された際の調査計画を確認した。また、台湾原住民コミュニティーが組織する各部族のうち布農族の代表委員と連絡を取り、今後の調査への協力を得るとともにオンラインでのコミュニケーションをとり始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究は2022年1月より開始となったが、共同研究者のいる台湾への渡航については厳しく制限されていたため断念した。インターネットを活用したオンライン会議は実施しているが、現地の少数民族の居住地での調査を実施には至らないというのが、2022年5月の現状である。本来であればすでに第1回目現地調査を終えていた予定であるため、研究は遅れている。今後、渡航が可能となったとしたも前後の待機期間を含めた旅程を計画した場合、大学の学事日程と照らしあわせると、夏季の長期休暇などでない限り、余裕を持った調査の実現が難しい。渡航できない現在は、オンラインでの台湾原住民の委員らと連絡を取り合っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では渡航制限が厳しく、海外調査の実現が困難な状況である。渡航制限が緩和した際に海外調査に着手できるように計画を立てることとする。連絡を取っている原住民部族の中の布農族の委員を通じて各部族の人々に、各部族の特徴的文様についてアンケート調査を実施する予定である。同時に研究者らが収集した文献・写真資料と照合しながら情報の整理と分類を行う。また収集した資料をもとに、芸術作品の制作に各自が着手する。文様映画の制作は現地調査が必須であるため延期となるが、特徴的な部族の文様からインスピレーションを受けた作品制作は可能である。そして日本国内で台湾原住民関連の資料を保有する研究機関(国立民族学博物館・東京国立博物館・東京大学総合博物館・東京家政大学博物館等)での調査も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍での台湾への渡航制限があり、台湾での現地調査を実施することができなかった。渡航制限が緩和され外国人によるフィールド調査ができるような環境になり次第、現地調査を実施したい。2021年度に計画していた2名の海外共同研究者を日本に招聘したキックオフミーティングを実施する予定である。また、7名の渡航者による第1回台湾調査を台北博物館、タイヤル族・サイシャット族集落で実施する予定である。
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