2021 Fiscal Year Research-status Report
A collaborative register-based study on the presentation, background factors, severity and outcomes of neurodevelopmental disorders in Asian countries
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21KK0145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橘 雅弥 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任准教授(常勤) (10722952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (20362189)
水野 賀史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (50756814)
田口 佳代子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (50836921)
坂本 由唯 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60770386)
廣澤 徹 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (80645127)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | 神経発達症 / アジア / レジストリ / 早期診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本を含めたアジアにおける神経発達症(NDDs)の臨床データを蓄積、解析することで、①アジアのNDDsが欧米で報告されているNDDsと異なる表現型を示す、②アジアのNDDsは,その表現型の発現に関連する生物学的・人口統計学的因子,社会学的因子などの背景因子が欧米のNDDsと異なっている。③アジアのNDDsは,欧米のNDDsと異なる重症度や予後を示す、という3つの可能性について検証し、アジアにおける早期診断法の最適化、成果の発信による社会的な提言を目指している。このための基盤整備として、東南アジア4カ国の主要施設(マレーシア・マラヤ大学、タイ・マヒドン大学、フィリピン・フィリピン小児医療センター、インドネシア・インドネシア国立大学)の研究者とアジア神経発達症レジストリ“ANDy”(Asian Neurodevelopmental Disorder registry)の構築を進めている。 2021年度は、COVID-19禍のため本研究のメンバーが4か国を訪問して活動を行うことはできなかったが、4か国の各施設及び研究者との間でレジストリのデータ計測・収集に関する合意形成を行い、同意文書を交わした。また海外施設での倫理審査申請の支援を行い、各国でのデータ入力が開始された。国によりCOVID-19によるロックダウンで、対面での診察が制限されるなど研究を行なうのが困難な状況であったが、2021年度中にデータ入力が未完了のものも含めると、日本国内約2300件、タイ約150件、マレーシア約30件、フィリピン約5件のレジストリへの症例登録がなされた。国内においては、参画施設の臨床情報を効率的にレジストリに登録可能にするための方法やソフトウェア開発などを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外へ実際に渡航しての活動は、2021年はできなかった。しかしながら、マレーシア・タイ・フィリピン・インドネシアの共同研究者と電子メールやzoom等による遠隔ミーティングを行って、海外4施設とデータ収集の内容とデータ共有の方針について文書での合意を交わし、基盤となるアジア神経発達症レジストリを始動させることができた。また、実際に海外からのレジストリへの登録も開始されている。COVID-19による渡航制限の中で、各国からの登録症例数にばらつきはあるものの、レジストリの稼働という初年度目標は達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の世界的な流行は継続しているが、連携している4ヶ国においても、徐々に海外との往来の制限が緩和されつつある。2022年度は、日本側研究者が連携4ヶ国に渡航し、海外施設でのレジストリ登録を推進するため、現地の診療や診療情報の現状について確認し、レジストリ登録数を増加させるための方略について、国ごとに協議を行う。具体的には、臨床情報の抽出やレジストリへの登録を簡便化するために必要なソフトウェアの開発等に繋げるための情報収集と開発を行う。さらに、症例登録が進んだのちに行う解析について、解析内容の詳細の検討や各施設の特色を活かした役割分担について、現地に赴いて協議を行う。COVID-19の影響により、海外に赴いての協議が困難な場合は、リモート会議などを活用する。本研究の目的である欧米とアジアの比較を行うためには症例数の蓄積が必要であり、効率的なレジストリ登録数の増加を目指す。
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Causes of Carryover |
初年度である2021年度は、年度途中からの開始であったこと、またCOVID-19の世界的な流行のため、当初予定していた東南アジア4カ国への研究者の渡航ができなかった。このため、渡航費として計上していた分が使用されず、次年度使用額が生じた。2022年度は、アジア諸国への渡航、滞在を長期、頻回に行うことにより、レジストリへの症例登録の加速を図るとともに、蓄積されたデータの解析についての協議と準備を進める。
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[Presentation] 子どものこころの発達研究センターから展開するアジア発達障害共同研究拠点形成と共同利用推進2021
Author(s)
橘 雅弥,片山泰一,谷池雅子,横山茂,土屋賢治,平野好幸,清水栄司,松﨑秀夫,友田明美,中村和彦,佐藤真
Organizer
第63回日本小児神経学会学術集会
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