2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of diversity and therapeutic target in scirrhous gastric cancer stroma
Project/Area Number |
21KK0153
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
石本 崇胤 熊本大学, 病院, 特任准教授 (00594889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 忠仁 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (00867947)
内原 智幸 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60835172)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | シングルセル解析 / 胃がん / 間質 / CAFs / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
CAFs (Cancer-Associated Fibroblasts)が癌の進展や浸潤・転移を促進していることは世界中の研究者により立証されている。本研究計画では、Duke-NUS Medical SchoolのProf. Patrick Tan研究室において、びまん性・腸型胃癌組織におけるシングルセルRNA sequencing解析・空間的遺伝子発現解析 (Spatial transcriptomics)をおこなう。本研究の目標は、それらの統合解析により、単一細胞レベルでの遺伝子発現ならびに空間的遺伝子発現パターンに基づいた癌―間質細胞間シグナルの同定をおこなうことで、スキルス胃がん間質の多様性(ダイバーシティ)を明らかにし、スキルス胃がん進展に関わる新規治療ターゲットを創出することである。30症例を超える胃癌組織からのシングルセルRNAシーケンシングデータを解析により、腫瘍間質を形成するCAFs分画には3つのサブグループが存在することを同定した。中でも、線維芽細胞の活性化マーカーとして知られるFibroblast Activation Protein (FAP)陽性のCAFサブタイプの存在は、胃がん患者の予後不良と有意に相関性を有していることが明らかになった。 また、マウス胃癌細胞の移植と培養を繰り返しおこなうシリアルトランスプラントによって、高度線維化を伴う腫瘍を形成するマウスモデルを作製しており、10X VISIUMを用いたSpatial Transcriptomicsにより、線維化腫瘍の間質は3つの異なるクラスターに分類され、特定のクラスターでは好中球の遊走に関わるケモカイン発現が有意に高いことが分かった。またシングルセルRNA シーケンシングによる解析からは、免疫抑制性微小環境の形成に働くPMN-MDSCsの腫瘍内浸潤亢進を証明している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃癌組織を用いたシングルセルRNAシーケンシングデータの解析結果を論文として報告(Cancer Discovery, 2022)している。また並行して進めてきた線維化腫瘍を形成するマウスモデルを用いたSpatial Transcriptomicsにおいても、ヒト組織との共通性を見出しており、解析は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのヒト胃がん組織を用いた解析結果を受けて、今後は転移形成に関わる微小環境多様性の検討を進める。胃がん腹膜播種に伴って貯留した腹水を用いて、腫瘍細胞以外の細胞(免疫細胞および間葉系細胞)にフォーカスを当て、マスサイトメトリーによるシングルセルレベルでのプロテオミクスを行っていく。 また、線維芽細胞の活性化マーカーであるFAPプロモーター下にtdTomatoを発現するトランスジェニックマウスを新たに作製し、このマウスから樹立した線維芽細胞とがん細胞を共培養すると、FAPプロモーターの活性化に伴いtdTomato陽性となること、胃壁への同所移植腫瘍および肝臓・肺転移巣において、tdTomato発現誘導が起こることを確認している。このマウスを用いて、血行性がん転移形成における、FAP陽性活性化線維芽細胞の意義に関して検証を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国外出張の回数が少なかった。次年度に合算して使用できる見込み。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Tumor microenvironmental 15‐PGDH depletion promotes fibrotic tumor formation and angiogenesis in pancreatic cancer2022
Author(s)
Bu L, Yonemura A, Yasuda-Yoshihara N, Uchihara T, Ismagulov G, Takasugi S, Yasuda T, Okamoto Y, Kitamura F, Akiyama T, Arima K, Itoyama R, Zhang J, Fu L, Hu X, Wei, F, Arima Y, Moroishi T, Nishiyama K, Sheng G, Mukunoki T, Otani J, Baba H, Ishimoto T
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 113
Pages: 3579~3592
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Single-Cell Atlas of Lineage States, Tumor Microenvironment, and Subtype-Specific Expression Programs in Gastric Cancer2022
Author(s)
Kumar V, Ramnarayanan K, Sundar R, Padmanbahan N, Srivastava S, Koiwa M, Yasuda T, Koh V, Huang K, Tay S, Ho S, Tan A, Ishimoto T
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Journal Title
Cancer Discovery
Volume: 12
Pages: 670~691
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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