2023 Fiscal Year Research-status Report
Ocean Hitchhikers: Remote Sensing Plastic Debris as Vector for Transport of Harmful Micro-organisms in Southeast Asia
Project/Area Number |
21KK0194
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
桑原 ビクター伸一 創価大学, 教育学部, 教授 (00409773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 洋太 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (20896930)
今村 弘樹 創価大学, 理工学部, 教授 (20363468)
下出 信次 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (70397090)
藤木 徹一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 主任研究員 (30598248)
|
Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
|
Keywords | 海洋プラスチック / 有害微生物 / リモートセンシング / 東南アジア / モンスーン(季節風) / 共焦点蛍光顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本研究の具体的な目的を達成させる年度となった。本研究の目的は、(1)潮間帯に漂着・散乱するプラスチックデブリの現存量をリモートセンシング(ドローン)により定量化、(2)それに付着した微生物群集とくに有害種を遺伝子工学的手法により定量化、(3)モンスーン周期と関連したその季節的動態を明らかにすることである。現在、当初の計画以上に研究は進展しており、本年度における実績の概要を以下、目的別に記載する。 目的(1)では、決定された観測地点(シンガポール・マレーシア)において、ドローンと5-mの自撮り棒を使って、潮間帯に分布するプラスチックの画像を撮影した。また、マシンラーニングによる画像解析の充実化に向け、データーベースを発展させ、シングルショットディテクター(SSD)を開発した。このSSD法を使用し、識別可能なプラスチックの形状、種類、推定精度を評価することが既に完了している。 目的(2)では、プラスチックデブリにヒッチハイキングする有害微生物の回収方法を確定させた。回収した有害微生物の遺伝子サンプルは、最適化された定量化手法に従って、解析された。さらに、有害微生物が付着するプラスチックの種類を明らかにするため、3カ国の研究地点でそれぞれ複数回の現場実験を行った。実験後は、プラスチックの種類別に遺伝子解析と共焦点蛍光顕微鏡による解析が行われ、有害微生物のマイクロマッピングを実施した。 目的(3)では、インターモンスーン期、南西モンスーン期、北東モンスーン期においてマレーシアで2回、シンガポールで1回、総合共同調査を計画通り実施した。特にシンガポールでは月例調査を実施し、高頻度でのサンプル取得に努めた。その結果、東南アジアでのプラスチックとそれに付着する有害微生物の季節性は既に確認済みであり、その解析は現在進行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度は当初の計画以上に研究の進展があった。 目的(1)潮間帯に漂着・散乱するプラスチックデブリの現存量をリモートセンシング(ドローン)により定量化することが、以下の行程を経て達成された。決定された観測地点(シンガポール・マレーシア)において、ドローンと5-mの自撮り棒を使って、プラスチック分布を推定するための画像を撮影した。マシンラーニングによる画像解析の充実化に向け、データーベース発展させ(多次元、1-5K画素)、シングルショットディテクター(SSD)を開発した。SSD法を使用し、識別可能なプラスチックの形状、種類、推定精度を評価した。
目的(2)プラスチックデブリに付着した微生物群集とくに有害種を遺伝子工学的手法により定量化することが、以下の行程を経て達成された。プラスチックデブリにヒッチハイキングする有害微生物を回収する方法を確定した。有害微生物の遺伝子サンプルの定量化手法(MinION、リアルタイムDNAシーケンサー)を検討・改善し、最適なプロトコルを確定した。有害微生物が付着するプラスチックの種類(PE、PP、PS、PET、PVC)を明らかにするため、3カ国の研究地点(日本・シンガポール・マレーシア)でそれぞれ複数回の現場実験を行った。現場実験のサンプルを共焦点蛍光顕微鏡(三次元)により観察し、有害微生物のマイクロマッピング(バイオフィルムの厚さを立体的に定量化)を実施した。
目的(3)モンスーン周期と関連したその季節的動態を明らかにすることが、以下の行程を経て達成された。シンガポールでは月例調査を実施した。インターモンスーン期、南西モンスーン期、北東モンスーン期においてマレーシアで2回、シンガポールで1回、総合共同調査を計画通り実施した。東南アジアでのプラスチックとそれに付着する有害微生物の季節性を確認し、現在解析中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本研究の最終的な完遂に向けて、以下の項目を実施する。
現場実験のサンプルの解析(遺伝子、共焦点蛍光顕微鏡)を行う。マシンラーニングのデーターベースを発展させ、画像解析の精度を向上させる。東南アジアでのプラスチックとそれに付着する有害微生物の季節性および時系列的な変動性を解析する。有害微生物の多様性を解析する。追加の現場調査を行い、共同研究先と研究協定を締結する。研究成果を取りまとめ学術論文として投稿する。本研究を発展させた新しい研究費を申請する。
|
Causes of Carryover |
本研究は、科学研究費助成事業補助事業期間延長承認申請書を提出し、次年度も研究を継続する。今回生じた次年度使用額は、本研究の目的をより精緻に達成するための追加の現場調査(マレーシア)・実験(日本)、また査読論文の投稿に関わる費用として使用される。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Colonization of plastics by microorganisms2023
Author(s)
Audrey Ern Lee, Timothy Jia Rong Chan, Amily Jia Hui Gan, Denise Ching Yi Yu, Teruaki Yoshida, Victor S. Kuwahara, Sandric Chee Yew Leong
Organizer
2nd UN Ocean Decade Regional Conference & 11th WESTPAC International Marine Science Conference
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-