2022 Fiscal Year Research-status Report
新規ピリドキシントランスポーターとイオン輸送体の応答によるピリドキシン動態の解明
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21KK0280
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山城 貴弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (20826614)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | トランスポーター / イオンチャネル / クロストーク / 相互作用 / ピリドキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、トランスポーターとイオンチャネルとのクロストークが注目を集めており、それらが相互に機能を制御することにより、重要な生理的役割を果たすことが知られるようになってきている。申請者は、最近、哺乳類で初めてのピリドキシン(ビタミンB6)トランスポーターとして、SLC19A3を同定することに成功し、イオンチャネルをはじめとしたイオン輸送体とのクロストークにより、ピリドキシンの体内動態に関与する可能性を見出した。本研究は、SLC19A3と相互作用するイオン輸送体を探索・同定し、それらのクロストークによるピリドキシン体内動態の解明を目指すと共に、その遺伝子変異による病態とピリドキシン輸送機能との関連性の解明に取り組むものである。 本年度は、SLC19A3と相互作用する可能性のある候補イオン輸送体の遺伝子クローニングを行った。さらに、渡航先であるカリフォルニア大学アーバイン校に渡航し、研究計画の実施に必要な教育訓練や手続き等を完了させ、承認を得た。渡航先での共同研究者であるGeoffrey W. Abbott教授と議論を重ね、今後の研究計画の策定も行った。 また、基課題での検討から、Leigh脳症やBTBGD(biotin-thiamine-responsive basal ganglia disease)の原因となるSLC19A3の遺伝子変異により、SLC19A3のピリドキシン輸送機能が低下することが明らかとなった。このことは、それらの病態にSLC193を介したピリドキシン輸送が関与している可能性を示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、候補となるイオン輸送体のクローニングを終えた。さらに、現地に渡航して各種手続きを完了させ、渡航先での円滑な研究計画の実施に必要な体制を整えることができた。以上より、概ね順調であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
SLC19A3との共発現により、機能変動を受けるイオン輸送体をTEVC(two-electrode voltage clamp)法により探索・同定する。さらに、同定したイオン輸送体とSLC19A3が、互いの輸送機能に及ぼす影響を解析する。
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