2010 Fiscal Year Annual Research Report
海半球計画の新展開:最先端の海底観測による海洋マントルの描像
Project/Area Number |
22000003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 教授 (60242153)
塩原 肇 東京大学, 地震研究所, 准教授 (60211950)
馬場 聖至 東京大学, 地震研究所, 助教 (70371721)
一瀬 建日 東京大学, 地震研究所, 助教 (60359180)
末次 大輔 海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域・地球深部活動研究プログラム, プログラムディレクター (20359178)
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Keywords | 海洋マントル / リソスフェア / アセノスフェア / マントル遷移層 / 海底観測 / 最先端技術 |
Research Abstract |
平成22年6月10日~25日に、海洋研究開発機構の研究船「かいれい」と無人探査機「かいこう7000II」を利用して、北西太平洋に観測を設置して「ふつうの海洋マントル」の解明を目指した観測の第一段階を開始した。設置した機器は、新型の海底地震計2台と海底電位差計1台、従来型の海底地震計3台と海底電磁力計5台で、いずれも現有品を用いた。さらに、平成23年度に予定されている本観測に用いる、新型の海底地震計6台と海底電位差計3台を製作し、性能テストなどを実施しつつある。また、本観測で用いる従来型の海底地震計および海底電磁力計それぞれ12台を点検し、準備を整えた。「ふつうの海洋マントル」の物性モデル構築へ向けて、室内実験および数値モデリングの準備を進め、実験用機器の開発や機材の購入を行なった.一方、既存の観測データの収集および解析を進めた。例えば、地震波の解析を広範な海洋の縁辺域に対して系統的に行ない、海洋底の年代で一千万年から一億三千万年についてリソスフェアーの厚みが年代とともに増大することを明らかにした。さらに、フィリピン海と西太平洋における海底電磁気観測データを解析して電気伝導度の鉛直分布を精密に求めて比較したところ、上部マントルの良導層までの深さについて、上記地震波解析によるリソスフェアーの厚さの年代依存と整合性のある結果が得られた。これらを含む研究成果は、国際学術誌の論文や国内外の学会等での発表により公表した。研究者向けのホームページおよび一般向けのホームページを開設し、情報発信の体制を整えた。平成23年3月11に発生した東北日本太平洋沖地震の影響により、一部部品(輸入品)の国内メーカへの入荷が遅れたため、予定していた海底電磁力計を平成23年度に繰り越して実施した。
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