2010 Fiscal Year Annual Research Report
スーパー制限酵素を用いたゲノム・マニュピュレーション工学の創成
Project/Area Number |
22000007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 眞 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50133096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須磨岡 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (10280934)
樋口 麻衣子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (30420235)
伊藤 靖浩 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (50508108)
徐 岩 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40506763)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / バイオテクノロジー / 制限酵素 / 核酸 / ペプチド核酸 / セリウム / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
(1)細胞内および細胞外でのスーパー制限酵素の応用 ・細胞外でめゲノム切断とその応用 特定の染色体のテロメア近傍を標的としてスーパー制限酵素を用いて切断し、得られたDNA断片の鎖長を測定することで特定の染色体のテロメア長を決定した。また、従来型のスーパー制限酵素で認識することが困難であったGC含有率が高い配列(ガン関連遺伝子であるc-mycなどのプロモーター)に対して、四重鎖形成とワトソン・クリック塩基対形成とを併用することにより、一種類のPNAで認識し、その部位で切断することに成功した。 ・細胞内でのゲノム切断とその利用(効率的な相同組換えの実現) 細胞に与えるダメージの比較的少ないエレクトロポレーション法を用いても、PNAやCe(IV)/EDTAが細胞内に導入されることを確認した。また、異なる二種類の細胞(HEK293細胞、K562細胞)に対して、スーパー制限酵素を用いた相同組換え効率について検討した結果、細胞種により相同組換え効率が異なることが明らかとなった。 (2)第2世代スーパー制限酵素の構築 ・ポリリン酸系配位子の利用 ポリリン酸系配位子を末端に結合したDNAとCe(IV)/EDTAを用いて、一本鎖DNAを操作することに成功した。また、ポリリン酸系配位子を末端に結合したDNAとCe(III)を用いる系(酵素によりCe(III)をCe(IV)へと酸化する系)では、修飾DNAの2当量程度のCeにより、選択的かつ効率的な切断が実現することが明らかになった。 ・シグナルペプチドの利用 通常の核酸塩基を持つPNAに核局在シグナルをコンジュゲート化することにより、1本のPNAのみを用いてもDNA二本鎖中にインベージョンし、その部位で切断することを見出した。この知見は、スーパー制限酵素の合成を非常に容易にするとともに、PNAの細胞内への導入や核内への局在化に対しても非常に有効である。 .(3)DNAナノ構造体を利用したPNAのインベージョンおよび、四重鎖形成の可視化 スーパー制限酵素による標的DNA認識過程をDNA origamiを利用して可視化することに成功した。
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Research Products
(41 results)