2015 Fiscal Year Annual Research Report
スーバー制限酵素を用いたゲノム・マニュピュレーション工学の創成
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22000007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小宮山 眞 筑波大学, 生命領域学際研究センター, 教授 (50133096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 岩 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40506763)
須磨岡 淳 東京工科大学, 工学部, 教授 (10280934)
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Project Period (FY) |
2013 – 2015
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / バイオテクノロジー / 制限酵素 / 核酸 / ペプチド核酸 / セリウム / 遺伝子操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、合成核酸であるPNAがDNAの中の定められた場所に侵入(インベージョン)することを用いてヒトゲノム中の所定場所を活性化し、ここを選択的にCe(IV)/EDTAで切断する手法を開発してきた。さらにこの手法を活用して、ヒトゲノムから所定の断片を入手し、また、ヒト細胞内の相同組み換えでゲノムの所定位置を目的どおりに変換することに成功した。本年度は、(1)高純度のゲノム断片を分離する手法の開発、ならびに(2)天然酵素を用いた新規ゲノム切断法の開発を追究した。 (1)高純度のゲノム断片を分離する手法の開発 これまでは、所望のゲノム断片をPNAで認識してこれを分離した。しかし、この手法では、ヒトゲノムのように巨大で、類似の塩基配列が多数存在する系から所定断片だけを高選択的に分離するのは困難である。そこで、PNAのインベージョンを用いて分離した一次生成物を、さらに別のサイトに結合するPNAで二次処理することにより、分離断片の純度を飛躍的に向上することに成功した。今後は、高純度なゲノム断片から正確なエピゲノム情報を得て、これに基づいて新たなゲノム工学の構築を目指す。 (2)天然酵素を用いた新規ゲノム切断法の開発 Ce (IV)/EDTAの代わりに1本鎖DNAを特異的に切断する酵素(例えば S1 ヌクレアーゼ)を使用し、PNAのインベージョンによる所定場所の活性化(1本鎖形成)と組み合わせることにより、新たなゲノム切断法を開発した。この酵素の必須補因子である亜鉛イオンは、ゲノムの2本鎖構造を安定化してPNAインベージョンを抑制してしまうが、反応条件を詳細に検討し、ヒトゲノムを所定位置で選択的に切断することに成功した。この酵素を用いる方法とCe(IV)/EDTA法は、いずれも高い位置選択性を持つゲノム切断法であり、使用目的により適宜選択することが可能である。
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Research Products
(12 results)