2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動 |
Project/Area Number |
221S0001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 祐輔 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70217909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓郎 公益財団法人がん研究会, がん研究所, 教授 (00180373)
山村 研一 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 部長 (90115197)
田中 英夫 愛知県がんセンター研究所, 疫学・予防部, 教授 (60470168)
醍醐 弥太郎 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (30345029)
矢守 隆夫 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター, 部長 (60200854)
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Keywords | 若手支援 / 国際交流 / 遺伝子改変マウス / 病理形態学 / 分子疫学コーホート研究 / がん化学予防 / ATL発がん機序 / アカデミア創薬 |
Research Abstract |
総括支援活動:支援対象研究者は679名で昨年度から倍増した。平成23年8月にがんの蛍光生体イメージングをテーマに、24年1月に厚労省との合同でシンポジウムを開催した。日独・日仏・日韓・日中の各がんワークショップを開催した。若手ワークショップに83名が参加し活発な発表討論が展開された。青少年市民公開講座を福島市で開催した。 個体レベル支援活動:エレクトロポレーション6件、スクリーニング6件、相同組換え1件(以上ES細胞)、Tgマウス17件、ベクター29件、キメラ21件、F1マウス19件、アレル変換16件、モニタリング(微生物400検体、遺伝1,173検体)、保存・クリーニング50系統、病理形態学28件を支援し、ワークショップを開催した。 がん疫学・予防支援活動:対象者を16,538人登録し累計で80,528人となり、がん罹患654人、死亡479人が把握された。新たに194の遺伝子多型を測定し、血清マーカー・生活習慣行動の関連因子同定を支援した。PSA高値日本人に対する二重盲検試験を支援し、大豆イソフラボン投与群において前立腺癌罹患率低下が確認された。 HTLV-I研究班:Taxワクチン療法の橋渡し研究が臨床試験段階に達した。累積患者登録は2,363例に達し、HTLV-1関連単クロン抗体の供与、検体バンクの維持とプロウイルス測定サービスを続けた。臨床診断研究支援活動班:がん試料(凍結組織530,FFPE組織206,ゲノムDNA539,血清539)を収集し、胃がん600例からなる組織マイクロアレイを構築した。新たに3機関での試料収集を追加した。組織染色、ELISA、プロテオミクス、血中miRNAを用いた肺がん、中皮腫、膵癌等の診断法検証を支援し、網羅的蛋白解析や情報解析の技術提供・講習を行った。 化学療法基盤支援班:化合物の分子標的阻害活性評価を続け、標準阻害剤キット4を作製して研究者に配付した。HP上の分子標的抗がん剤開発情報をアップデートした。24年2月にアカデミア創薬のシンポジウムを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各支援活動とも、当初の目標を上回る規模の支援を行っており、順調である。但し、個体レベル支援活動においてKOMPもしくはEUCOMMから入手したES細胞を用いたキメラ作製の依頼では、一部の細胞が、それらの機関における事故により入手できなくなったため、計画の変更が余儀なくされた。また細胞を入手するまでに予想以上の時間を要し、当初の計画よりやや遅れる原因となっているが、軽微な変更・遅れであり、おおむね順調の範囲内と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
全体として平成22~23年の支援活動を継続する。軽微な変更・強化策として、がん研究全体の広報活動としてネット出版を進め国民との対話を促進する。個体レベル支援活動では、遺伝的モニタリングとしてマウスだけでなくラットやコモンマーモセットなどの要望があれば対応できるようにする。がん疫学・予防支援活動では、研究対象者数を10万人に近づけるため、各サイトで新規登録数を増やす取り組み(新たな対象フィールドの設定など)を企画する分担研究者を重点的に支援する。HTLV-I班では、ATLの腫瘍化機序について分子生物と免疫分野との融合を図りたい。臨床診断研究支援活動では、診断アッセイ系の質・量の面からも検証支援体制の強化をはかるとともに、広報活動により国内のがん研究者との連携を促進して、最先端の技術・情報と豊富な臨床試料を有する本支援班の診断研究検証支援システムをさらに普及する。
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Research Products
(115 results)