2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22220012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 冬木 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (30184493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋谷 彰 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (40334495)
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Keywords | ゲノム不安定性 / テロメア |
Research Abstract |
本研究では、テロメア機能異常がどのような遺伝学的不安定性をもたらし、正常細胞の発がん過程に貢献するのかを、分裂酵母およびマウスのモデル生物について、試験管内あるいは個体レベルで明らかにすることを目的としている。平成22年度においては、そのための実験系の構築を行った。テロメア機能不全は、染色体末端DNAがDNA損傷として認識され、DNA損傷チェックポイントを活性化するとともに、DNA末端融合やDNA二本鎖切断部位を介したDNA相同組換え、あるいは、テロメレースによる切断部位へのテロメア付加がおこることが予想される。このようなDNA突然変異は、Gross Chromosomal Rearrangement(GCR)と呼ばれる染色体構造の大規模な変化をもたらすが、テロメア機能が実際にGCRをもたらすのか否かは検討されていなかった。そこで、本年度は、分裂酵母GCR頻度を測定する実験系を確立し、分裂酵母テロメア構成蛋白質の各遺伝子欠損株におけるGCR頻度を測定することに成功した。一方、我々は、哺乳類テロメアに局在する新規蛋白質複合体CST複合体を報告し、これがテロメアDNAのラギング鎖合成に関わる可能性を示唆した(Mol Cell 36,193-206,2009)。既に、我々は、哺乳類DNA合成酵素α・プライメース複合体などラギング鎖DNA合成に関わる遺伝子の変異は、テロメアDNAを不安定化させることを示している(Mol Cell Biol25,11073-11088,2005)。そこで、CST複合体の機能異常がテロメアDNAの不安定性、ひいては、発がん率にどのように貢献するのかを明らかにする目的で、理研CDBの相澤慎一博士のグループとの共同研究により、CSTを構成するStn1をコードする遺伝子のノックアウトマウスの作成を終えた。現在、本マウスを用いて、CST複合体の機能を明らかにしつつある。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] テロメアと細胞老化2010
Author(s)
石川冬木
Organizer
第19回日本Cell Death学会学術総会
Place of Presentation
名古屋市、愛知県産業労働センター(招待講演)
Year and Date
2010-08-01
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