2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における若年層のライフコース変容と格差の連鎖・蓄積に関する総合的研究
Project/Area Number |
22223005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 浩 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40272504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博樹 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60162468)
佐藤 香 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (10313355)
有田 伸 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (30345061)
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Keywords | 社会学 / 階級 / 階層 / 社命移動 / 格差 |
Research Abstract |
本研究は、若年・壮年者を対象としたパネル(追跡)調査を継続することにより、教育・就業・家族・健康・意識といった多様な生活側面をライフコースの変容として総合的に捉え、不平等や格差が生成してくる過程を明らかにすることを目的としている。平成23年度には、下記のような成果をあげた。 (1)若年・壮年を対象とした第5波追跡調査の完了とクリーニング・コーディング作業:平成22年度に実施した第5波若年・壮年追跡調査は、2011年3月11日の東日本大震災により、督促・回収作業が困難となったため、平成23年度に作業を繰り越して、震災の影響が一段落した2011年6月に第2次調査として督促と回収作業を再開し、9月に無事完了した。3月11日までに回収していた調査票についてはクリーニング・コーディング作業を5月より開始していたので、第2次調査で回収した調査票についても速やかにクリーニング・コーディング作業を行うことができ、調査完了の遅れを取り戻すことができた。 (2)若年・壮年第6波追跡調査と高卒パネル第8波調査の実施:2007年以降毎年追跡している若年・壮年者を2012年1月から3月にかけて第6波追跡調査を予定通り実施した。2011年に補充したサンプルについても第2波追跡調査を行った。高卒パネル調査の対象者には、2011年12月から2012年1月に第8波追跡調査を予定通り実施した。 (3)研究成果の発信:日本社会学会、日本教育社会学会で東京大学社会科学研究所パネル調査研究プロジェクトグループとして共同で報告を行った。海外では、韓国社会学会、アメリカ社会学会、ストックフォルム大学などで研究成果を報告した。 (4)台湾のパネル調査研究者との会合:2012年2月には東京大学社会科学研究所パネル調査研究メンバーが台湾教育パネル調査を実施している研究グループと台北で会合を持ち、研究交流を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2007年に行った若年調査、壮年調査の対象者を毎年順調に追跡する調査を実施することができている。2010年度については、第5波調査の督促が東日本大震災の時期に当たったため、2011年度に督促作業を繰り越した。そのために第5波調査の完了とその後のクリーニング・コーディング作業が当初の予定より遅れた。しかし、2011年度には第5波調査を完了しただけでなく、第6波の調査を予定通り実施することができ、2010年度の遅れを取り戻し、当初の計画以上に順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
若年・壮年を対象とした追跡調査を今年度も継続できるように準備し、年度末に第7波調査を実施する予定にしている。東日本大震災のために完了が遅れた第5波の調査の分析を進めるとともに、第6波の調査のクリーニング・コーディング作業を2012年度の前半に集中的に行う。第5波までの調査データの分析を研究グループ全体でまとめ、書籍の形での刊行を目指している。 今年度は国際比較研究をざらに発展させるべく、台湾・韓国で若年者を対象としたパネル調査、社会階層と格差に関する調査を分析している研究者と連携し、分析知見を共有するための国際コンファレンスを東京で開催する予定にしている。
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Research Products
(29 results)