2013 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における若年層のライフコース変容と格差の連鎖・蓄積に関する総合的研究
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22223005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 浩 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40272504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博樹 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60162468)
佐藤 香 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (10313355)
有田 伸 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30345061)
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Project Period (FY) |
2010-05-31 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / 階級 / 階層 / 社会移動 |
Research Abstract |
本研究は、若年・壮年者を2007年の第1回調査から毎年継続して追跡調査することにより、ライフコースを包括的・総合的に捉え、社会・経済的な格差や不平等がライフコースの中でどのように生成・蓄積されていくのかを検証することを目指している。平成25年度には、下記のような成果をあげた。 (1)若年・壮年パネル第8波調査と高卒パネル第10波調査を実施した。2007年の第1回調査以降、若年・壮年の対象者を毎年継続して追跡しており、第8波を2014年1月から3月にかけて予定通り実施した。高卒パネル調査の対象者についても、第10波調査を2013年11月から2014年1月にかけて予定通り実施した。 (2)前年度までに実施したパネル調査のクリーニング・コーディング作業を実施した。東京大学社会科学研究所のSSJデータアーカイブから、過去の調査データを公開しており、平成25年度には436名の研究者や学生・院生により利用された。 (3)日本教育社会学会と日本社会学会において、東京大学社会科学研究所パネル調査グループとして共同報告を行った。日本教育社会学会では3名(石田浩・藤原翔・大島真夫)の共同報告、日本社会学会では6名(有田伸・石田賢示・橋本摂子・長尾由希子・小川和孝・脇田彩)でひとつのセクションを構成した。これ以外にメンバーが、国内・海外の学会やコンファレンスなどで研究成果を報告した。年度末にはプレスリリースと成果報告会を開催した。研究成果を『格差の連鎖と若者』3巻本として刊行するための分析を進めた。 研究協力者:相澤真一、石田賢示、伊藤秀樹、岩瀬晋、大島真夫、小川和孝、苅谷剛彦、菅万理、元治恵子、新藤麻里、菅原育子、鈴木富美子、多喜弘文、戸ヶ里泰典、中澤渉、永井暁子、長尾由希子、橋本摂子、林雄亮、平沢和司、深堀聰子、福井康貴、不破麻紀子、朴澤泰男、前田幸男、茂木暁、山本耕資、卯月由佳、吉田崇、脇田彩
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、平成25年度に若年・壮年・高卒の3つのパネル調査を実施することができた。すでに実施したパネル調査データのデータアーカイブでの公開を進めており、平成25年度には400名以上の利用者実績があった。 プレスリリースと成果報告会を開催し、社会的な情報発信を進めた。研究メンバーによる研究成果をまとまった形で公表すべく、3巻の単行本シリーズの形で現段階での研究成果の刊行を進めることを決め、準備を進めた。『格差の連鎖と若者』というシリーズタイトルで、『若者の教育とキャリア』(第1巻)、『若者の出会いと結婚』(第2巻)、『若者のライフデザインと希望』(第3巻)の3巻構成である。平成25年度中の刊行には至らなかったが、平成26年度に刊行予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度後半にすでに実施した若年・壮年・高卒のパネル調査のデータクリーニング・コーディング作業を年度の前半には終了させる。クリーニング・コーディング作業と平行して調査データの分析を進める。すでに実施した調査データ公開についての作業を進める。 秋からは平成26年度に実施予定の若年・壮年・高卒の3つのパネル調査の準備を開始、年度中に3つの調査を実施予定である。 例年通り東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクトグループとして複数の報告を日本教育社会学会、日本社会学会などの学会で行う予定である。またアメリカ社会学会や国際社会学会の部会など海外の学会などでも、研究メンバーが個人報告を行う予定である。さらに研究成果を広く還元する目的で、秋にはメディア向けにプレスリリースを行い、年度末には成果報告会を一般向けに開催する予定である。 平成25年度から取り組んでいる『格差の連鎖と若者』3巻本シリーズの刊行を平成26年度中に実現する。台湾・韓国で若年者を対象としたパネル調査を実施しているグループとの交流を継続する。
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Research Products
(17 results)