2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シークエンサーを用いた生殖系列のエピゲノム修飾とトランスクリプトーム解析
Project/Area Number |
22228004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
河野 友宏 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80153485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外丸 祐介 広島大学, 自然科学研究支援センター, 准教授 (90309352)
鈴木 穣 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40323646)
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Keywords | イピゲノム / 生殖系列 / 次世代シークエンサー / DNAメチル化 |
Research Abstract |
平成22年度には、以下の研究成果を得た。イルミナ社の超高速シーケンサー:Genome Analyzer IIならびにHi-seq2000を用いて、BSS法により、マウス精子・卵子の全ゲノム包括的メチル化解析を行った。解読された約30億超のリード(36-76塩基)をマウスゲノムにマッピングした結果、カバー率はゲノム全体の80%は少なくとも1リード以上張り付き、多重度の平均は13×以上のDNAメチル化マップを作製することに成功した。ゲノム全体において、卵子は精子と比べてメチル化レベルは低く、ゲノム全体では高メチル化領域と低メチル化領域に二分されていることが明らかとなった。また、インプリント遺伝子の制御領域であり、生殖細胞でメチル化に明確な差異がみられるDMR(Differentially methylated region)のメチル化を評価したところ、精子型インプリント領域は高メチル化、卵子型インプリント領域は低メチル化を示したことから、作製したDNAメチル化マップは各シトシンのメチル化状態を正確に反映した精度の高いメチル化マップであることが証明された。このメチル化マップのプロファイルに基づき、CpGアイランドのメチル化解析を行った結果、約1000の卵子で高度にメチル化されているCpGアイランド、ならびに約600の生殖系列DMRを同定した。また遺伝子発現とメチル化の関連性について検証するため、Genome Analyzer IIを用いたmRNA-seq法により全遺伝子の発現解析を行った。卵子では、遺伝子の発現量とプロモーター領域のメチル化に明確な負の相関性(promoter methylation)がみられない一方、転写領域でのメチル化に極めて強い正の相関性(gene-body methylation)が見られることを初めて明らかにした。
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