2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シークエンサーを用いた生殖系列のエピゲノム修飾とトランスクリプトーム解析
Project/Area Number |
22228004
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
河野 友宏 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80153485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 穣 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
外丸 祐介 広島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90309352)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNAメチローム / 生殖系列 / 次世代シークエンサー / 脱メチル化 / エピゲノム / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、哺乳類の雌雄生殖系列におけるエピゲノム情報のリプログラミングを解明するため、次世代シークエンサーを用いて遺伝子発現制御の主要因であるDNAメチル化の包括的解析を全ゲノムレベルで実施した。最終年度である本年度は、受精後の初期発生過程に焦点を当て、PBAT(post bisulfite adapter tagging)法を用いて詳細なDNAメチローム解析を実施した。特に、受精後の脱メチル化過程の詳細を明らかにするため、排卵卵子、精子、受精後6時間および10時間後の前核期卵、胚盤胞およびエピブラストを解析対象にした。解析結果は良好で、全ゲノム中のCpGサイトに対しx5-15シークエンスデータを獲得し、そのゲノムカバー率は80~90%であった。 DNAメチル化率は、受精直後から(主に父性ゲノムと考えられる)脱メチル化は開始しており、受精4時間では45%、10時間後には34%にまで低下していた。その後さらに胚ゲノムの脱メチル化は進行し、胚盤胞では最低の18%にまで減少していた。しかし、着床後の胚発生・分化に伴い、E7.5のエピブラストではDNAメチル化レベルは急速に上昇し73%にまで達していた。一方、精子と卵子間で特定されたDMR(differentially methylated region)数は、父性特異的メチル化領域が18ケ所および母性特異的メチル化領域が385ケ所であった。興味深いことに、これらのDMRは胚盤胞においても維持される傾向があり、特にインプリント制御領域では30%程度のDNAメチル化が脱メチル化を免れ維持されていた。また、体細胞クローン個体の精子のDNAメチローム解析にも着手し、一部にDNAメチル化異常を確認する興味深い結果を得ることができた。 本年度の成果により、本研究の達成目標であった生殖系列全体のDNAメチロームの全貌の把握が完了した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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