2011 Fiscal Year Annual Research Report
高度法情報発信のための多言語情報の最適組み合わせに関する研究
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22240025
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
末永 敏和 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (30093909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 浩 大阪大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00171661)
林田 雅至 大阪大学, コニュニケーションデザイン・センター, 教授 (50189677)
松浦 好治 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40104830)
宇田川 幸則 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80298835)
水野 真木子 金城学院大学, 文学部, 教授 (90388687)
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Keywords | 法情報学 / 通訳翻訳学 / メディア・リテラシー論 / 比較法 / 比較政治学 / 国際研究者交流 / 中国:台湾:ブラジル:ロシア:ポルトガル |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、法令を中心とした日本の法規範・法文化に関する情報を多言語でハイブリッド発信するための効果的な方法について研究するものであり、本年度は2年目として、初年度に開始した研究調査と分析を本格的に進めた。全体の打ち合わせ会を5月と11月に大阪大学法学研究科で開催し、2月には研究内容及び成果を紹介するホームページの大幅な更新を行った。4つの研究チームは以下の研究活動を通じて、来年度以降の多言語ハイブリッド情報発信の効果的方法の具体的検討に向けて、重要なデータ蓄積を行うことができた。 第1は、中国及び台湾に向けての法情報発信に伴う諸問題を研究するチームである。本年度は、中国との研究協力をさらに発展させて、浙江大学法学院で6月に民商法研究会、3月に法情報学ワークショップを開催し、また同じ3月に上海の弁護士事務所を訪問して、日本の会社法改正検討作業に関する意見交換を行った。第2は、日本に在住する外国人に対する法情報発信に伴う諸問題を研究するチームである。本年度は、司法通訳及び外国人サポートに関するアンケートを引き続き実施し、6月には英国のロンドン大学法学部教授を招へいして講演会を開催した。また、模擬尋問に関する外国語教材のロシア語版の改良に加えて、ポルトガル語版、中国語版、英語版を作成した。第3は、法令外国語翻訳プロジェクトの多言語化に伴う諸問題を研究するチームである。本年度は、台湾の中正大学法情報研究所と引き続き協力して、日台間の法令データベース構築の作業をさらに進めた一方で、日韓間の作業も進めることができた。第4は、比較法・比較政治的アプローチによる情報発信の目的及び効果を分析するチームである。本年度は昨年度に引き続き、ロシア刑事訴訟法の翻訳とその検討作業を行い、また本研究プロジェクトの中心的な成果物としての書籍の刊行準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトは、全体の打ち合わせ会を年2回は開催しつつ、4つの研究チームに分かれて研究活動を進めているので、全体としての研究チーム間の相互連携を保ちながら、それぞれの研究調査と分析を効率よく着実に進めることができている。ただ、研究の対象や活動そのものが国際的であるため、一つ一つの研究調査に予想以上の時間がかかることも多かった。そのため、評価としては「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトに、現在までのところ、研究計画の大きな変更や研究遂行上の問題点はないと考えている。これまでの2年間で実際に研究活動を行いながら築き上げてきた研究協力体制によって、今後の2年間の研究活動をさらに推進していく予定である。
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