2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAおよびsnoRNAとその標的の網羅的予測
Project/Area Number |
22240031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 潔 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30356357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木立 尚孝 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (80415778)
廣瀬 哲郎 産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター, 研究チーム長 (30273220)
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Keywords | RNA / バイオインフォマティクス / マイクロRNA / snoRNA / 確率モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、miRNAとsnoRNAの網羅的発見と機能解析を高精度に行う計算機手法を開発することである。昨年度から本年度にかけては、動物のmiRNA前駆体を高精度に発見する手法の開発を行った。miRNA前駆体の部位特異的な進化的・2次構造的特徴を精緻な確率モデルにより表現することで、既存手法を上回る予測精度を達成した。本手法をヒトゲノムに適用し、多数の新規miRNA前駆体候補を発見した。さらに、本手法をホヤゲノムに適用し、本手法がホヤゲノムに対しても有効であることを示した(論文投稿中)。この結果から本手法は広範囲な生物に対して有効であると思われる。さらに、予測した前駆体miRNAから成熟miRNA部位を予測する技術を開発した。成熟miRNAを予測することは、予測されたmiRNA前駆体の機能を推定する上で必須である。我々の手法は、既存手法では考慮されていなかった進化的特徴を用いること、そして、miRNA前駆体の長さ分布をより正確に用いることにより既存手法を大幅に上回る予測精度を達成した(論文投稿中)。成熟miRNAの生体内での役割を解明するためには、成熟miRNAのターゲットとなる遺伝子を予測することが重要である。我々は成熟miRNAとターゲット遺伝子の近づきやすさの指標(アクセサビリティー)を効率よく計算する手法を開発した(Kiryu et al.,2011)。さらに、高精度な2次構造予測アルゴリズムであるContrafoldを本手法に組み込むことで、アクセサビリティーをより正確に予測できることを発見した(論文準備中)。この発見を利用したmiRNAターゲット遺伝子の予測手法の開発を進めている。また、本手法が成熟miRNAと同様のメカニズムで機能するsiRNAの効率予測に対しても有効であるという結果を得たため、siRNAの効率予測手法の開発も進めている。
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Research Products
(15 results)