2011 Fiscal Year Annual Research Report
海洋の気体交換フィードバックシステムと生物生産応答に関する研究
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22241001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 豊 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (90333640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 純 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (90371533)
坂岡 桂一郎 北海道大学, 水産学部, 助教 (40241377)
吉川 久幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (60344496)
南 秀樹 東海大学, 生物理工学部, 准教授 (60254710)
小埜 恒夫 独立行政法人水産総合研究センター, 北海道区水産研究センター, 室長 (40371786)
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Keywords | 化学海洋学 / 海洋大気物質循環 |
Research Abstract |
1)炭素・窒素気体交換システムと生物生産応答の定量化の新規評価法の開発・改良 H22年度から引き続き、海洋の炭素・窒素気体交換システムと生物生産応答の定量化(大気気体貫入速度、脱窒・窒素固定量など)の新規方法の開発を実施した。その結果、大気貫入速度とともに、海水中の栄養塩濃度と組み合わせることで、脱窒と窒素固定量を同時に見積もる方法の開発に成功した。この方法は、窒素とアルゴンの大気と海水中の比から得られる過剰分の窒素と、海水中のリン酸から期待される消費窒素量の比の差分を取ることで、海水中の脱窒量と同時に窒素固定を見積もる方法である。これは従来には無い画期的な方法であり、現在、海水中の窒素収支が釣り合っていない事への新たな解答を得るための方法となった。現在、国際学術雑誌への投稿準備中である。 2)モデル海域における高確度な炭素・窒素気体交換システムとそのマッピングと定量化 実証試験の結果を踏まえ、H23年5月~6月において、おしょろ丸に、溶存気体高頻度採水用システムを搭載し、日本海ならびにオホーツク海での経緯度0.5度の高頻度の海洋表層混合層海水採水(水深10m、20m)を実施した。ここでは、窒素成分と炭素成分を中心に採取を実施した。ここで得た結果を用いて、1)の炭素・窒素気体交換システム評価方法を用いて、時空間的に高分解な同海域の表層混合層の炭素・窒素循環変動とそのフラックスの定量化を実施した。現在、その定量化の検討は継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溶存気体高頻度採水システムの開発が終了しその現場投入した点および、海洋の炭素・窒素気体交換システムと生物生産応答の定量化(大気気体貫入速度、脱窒・窒素固定量など)の新規方法の開発に成功した点から、区分2に該当すると判断出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
溶存気体高頻度採水システムの現場投入し広域的データを取得するための船舶を確保することが現任必須となっている。現在、北大おしょろ丸、水産総合研究センターの船舶運航の機会に溶存気体高頻度採水システムを投入できるよう最大限努力する予定である。
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Research Products
(13 results)