2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22241012
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
秋道 智彌 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 名誉教授 (60113429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 智 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30363518)
大西 秀之 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60414033)
門司 和彦 長崎大学, 国際健康開発研究科, 教授 (80166321)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80183804)
阿部 健一 総合地球環境学研究所, 研究高度化支援センター, 教授 (80222644)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環境と社会 / 生態系サービス / 関係価値 / メコン河流域 |
Research Abstract |
H24年5月に全体集会を開催し、各メンバーによるこれまでの研究成果の報告をもとに、次年度の最終成果とりまとめに向けた作業工程について討議した。その結果、全体成果の発表形態については引き続き検討し、個別の研究成果発表を優先的におこなうことにした。また、全体方針として、生態系サービスにおける文化的サービスを評価することの重要性、生態連環図による生態系サービスの構造化、そして、コモンズ論に関わる事例を集積することが確認され、今後の研究を進める上で重要な作業指針となった。研究代表者はH24年5月と11月に韓国で現地調査を実施し、コモンズ論の展開に不可欠な漁業権のデータを収集した。また、H25年2月にはインドネシア・バリでも共同漁業権に関する調査を行った。 研究課題のキー概念である「関係価値」については、分担者の阿部を中心に研究会を組織し、理論的な検討をおこなった。 横山が班長を務めるベネフィット班メンバーもタイ、ラオスの現地調査により引き続き生態系サービスの実態把握に努めるとともに、学会研究大会での発表を通して、生態系と人間集団をつなぐさまざまな関係性が、地域の自然・社会経済的条件の変化のなかで経時的に変化する様相を明らかにした。リスク班の門司は、ラオスと中国昆明で開催された国際研究集会に参加し、他の出席者との討議を通して、人間による環境改変にともなうリスクとベネフィットのトレードオフ関係を実証的に明らかにする必要性を認識できた。 年度末に報告書の形式で今年度の研究成果を集約し、次年度(最終年度)の目標として各自の研究を通して「関係価値」概念を論じることが策定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各自の調査研究の成果が論文、学会発表のかたちで蓄積され、キー概念である「関係価値」の考察を深められたため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる実証データの裏付によって「関係価値」概念を精緻化し、「生態系サービス」概念との違い、関係性について考察する。
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Research Products
(35 results)