2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市・環境問題を解決するスマートグロースITSに関する研究
Project/Area Number |
22241037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑原 雅夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50183322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 浩志 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (00355976)
田中 伸治 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (50355913)
平沢 隆之 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (60415023)
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Keywords | スマートグロース / ITS / 駐車場 / パーク・アンド・ライド / 中心市街地活性化 / 滞在時間 / プローブ情報 / プローブパーソン |
Research Abstract |
平成23年度は、研究体制を強化することを主眼として東京大学と柏市で共同研究をスタートした。柏市の職員を共同研究員として迎え、柏市の都市問題について行政の視点からの分析を行った。 具体的には、昨年度整理したスマートグロースITSの全体像と平成23年3月11日の東日本大震災という大災害の教訓を踏まえ、(1)大災害時にこそ機能するスマートグロースITSの在り方検討、(2)柏市の都市問題の分析と対応するアプリケーションの整理、(3)駐車場問題と中心市街地の活性化の検討、(4)パーク・アンド・ライドを成功させるためのITSの基礎的研究を行った。 (1)については、東日本大震災という大災害の重大性に鑑み、研究メンバーが土木学会の調査団のメンバーとして参加し、スマートグロースITSが災害時に機能すべき内容について検討を行った。その成果の一部は、土木学会・電気学会合同の「ICTを活用した耐災施策に関する総合調査団提言」に反映されるとともに、各種シンポジウムで発表を行い、最終成果を論文として発表した。(2)については、柏市との共同研究として進め、柏市の都市交通問題を分析し、プローブカーデータや、プローブパーソンデータを分析することで、国道6号、16号の渋滞が中心市街地に及ぼす影響を把握し、滞在時間と中心市街地の活力に関係があることを分析した。これについては今後論文で発表予定である。(3)については、これまでの中心市街地の分析より駐車場ITSアプリケーションの持つべき要件を整理し、国際学会で広く世界に発表した。(4)については、柏市の都市交通問題とパーク・アンド・ライド導入の可能性を検討し、駐車場内のITS導入によりアプリケーションが機能するための基礎的な研究を行い、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学の研究者だけの視点ではなく、柏市という行政組織と共同研究を実施することで、柏市域の都市交通問題の本質について深く問題点の分析を行うことが可能となり、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
柏市との共同研究を踏まえ、具体的に地域で導入すべきスマートグロースITSアプリケーションの議論を進め、中心市街地の活性化や環境問題の解決するための実際に使われていく交通施策を研究していく。 特に、駐車場問題は、中心市街地の滞在時間との関係があることが明らかとなってきているため、駐車場のマネジメントを効率的、低コストで行うことのできるITSアプリケーションについては、行政のみならず地元商業者の関心も高いことから地域導入も含めたアプリケーション開発を同時に進めていくことを考えている。
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