Research Abstract |
医療の質マネジメントシステムとは,質のよい医療を提供するための業務のやり方,仕組みである.医療の質保証を行うためには,組織的な質保証のための活動が必要になってきている.本研究では,従来申請者らが取り組んできた研究の成果を発展させることにより,医療の質保証を実現するための質マネジメントシステムモデルを構築し,その導入・推進方法も明確にして実際の病院に導入・推進することによってモデルの検証を行い,実用性の高い医療の質マネジメントシステムモデルを確立することを目的とする. QMSモデルを検討するQMSモデル班では,モデル検証病院での活動状況,管理指標の推移,導入・推進上の問題点の把握を行った.また,従来研究で開発したQMSに必要な要素機能のうち,日常管理,文書管理,プロセスの可視化・標準化を中心に,実施上の問題点を把握した.その結果をもとに,QMS基礎モデルの問題点を把握するとともに,QMS基礎モデルを超えて実施しなければならない要素機能を特定し,開発すべき医療QMSモデルの原案を作成した. 導入・推進方法と教育体系を検討するQMS教育班では,開発済みの導入・推進方法を幸手総合病院に適用し,適用上の問題点を把握した.また,既に導入・推進を行ってきた3病院での問題点も把握した.それをもとに,導入・推進方法の改善案を作成した。教育に関しては,教育内容と問題点の内容を明らかにし,教育内容,方法の問題点を明らかにした.同時に,教育プログラムの原案を2病院に適用した.また,城東中央病院においては,QMSモデル班から提案された新規QMS要素である方針管理について,教育を実施し,方針管理を実施しはじめた. 1年目の成果については,2011年3月6日にシンポジウムを開催して公開した.来年度は,さらに検証病院を2病院増やし,検証を継続していく.
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