2011 Fiscal Year Annual Research Report
人類の思想的営みとしての宗教遺産の形成に関する総合的研究 -宗教遺産学の構築へ-
Project/Area Number |
22242003
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
上島 享 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60285244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 直樹 京都府立大学, 文学部, 准教授 (80381929)
上杉 和央 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70379030)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70260742)
阿部 泰郎 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60193009)
眞壁 仁 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (30311898)
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Keywords | 宗教遺産学 / 文化遺産 / 思想史 / 宗教思想 / 宗教儀礼 |
Research Abstract |
本研究課題は、「宗教遺産学」という新たな学問体系の構築を目標にかかげ、具体的な調査・研究を踏まえながら、その理論的な枠組を鍛えていこうとするものである。2年目の今年は、平成24年度に実施予定のシンポジウム・中間報告書を見据えて、われわれが構築を目指す「宗教遺産学」の中身を充実させるべく調査・研究を進めた。 (1)各研究課題の調査・研究 「研究の目的」に記載した研究課題ごとに調査・研究を行った。特に、勧修寺・安楽寿院の文書・聖教調査が進展しており、次年度にはその成果を公表したい。 (2)来年度のシンポジウムの準備 最終年度(平成26年度)に実施予定のシンポジウム案を検討した上で、平成24年度のジンポジウムの計画を策定し、その準備のための調査・研究を進めた。 (3)研究会の実施 宗教遺産学について該博な知識を得るため、各分野の第一線で活躍する研究者を招聘して、研究組織全員が参加する研究会を3回行った。また、各研究課題の進捗報告と次年度シンポジウムに向けた準備の研究会を、それぞれ1回ずつ実施し、現在の成果と課題を確認した。構築を目指す「宗教遺産学」についての具体像も徐々に明らかになりつつある。 (4)全体での調査の実施 本研究課題では、実地調査を行うことより新たな視座の獲得を目指している。今年度は本研究組織構成員によるグループ調査を3回行った。5月に岡山県弘法寺練供養の見学調査と周囲史跡の踏査、6月に沖縄の慰霊行事の調査、10月には佐賀県多久聖廟釈菜の見学と周辺史跡の踏査である。なかでも、練供養・釈菜の調査においては、民俗行事をはじめとする無形遺産の背景にある宗教思想を考える機会を得たることができ、研究課題(a)の考察が進展した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中間・最終目標(24・26年度実施のシンポジウム・報告書)が具体的に定まり、それに向けた調査・研究が進展しつつある。個々の研究課題に関わる成果も現れつつあり、それらを統合し、「宗教遺産学」概念を構築していく作業も徐々に実を結びつつある。あと3年の期間で、当初の目標はほぼ達成できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
24・26年度実施のシンポジウム・報告書がより充実したものになるように、それに向けた準備を進めていきたい。 従来どおり、個々の調査・研究を進めるとともに、次年度以降は、われわれが構築を目指している「宗教遺産学」についての議論を深めていくことに力点を置きたい。
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Research Products
(12 results)