2010 Fiscal Year Annual Research Report
永青文庫細川家資料の総合的解析による大名家資料学の構築
Project/Area Number |
22242020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
稲葉 継陽 熊本大学, 文学部附属永青文庫研究センター, 教授 (30332860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 特任教授 (70072717)
吉村 豊雄 熊本大学, 文学部, 教授 (90182823)
森 正人 熊本大学, 社会文化科学研究科, 教授 (10106065)
高濱 州賀子 熊本大学, 文学部, 客員准教授 (20573588)
山口 和夫 東京大学, 史料編さん所, 准教授 (00239881)
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Keywords | 大名家資料群 / 大名家資料学 / 藩侯の史資料 / 藩庁の史料 |
Research Abstract |
【史資料調書の作成】2010年度は、附属図書館貴重書庫に収蔵されている歴史資料・書籍群等について、文化庁調査官の指導を踏まえて確定した調査カードに、データを記入する作業を実施した。作業は技術補佐員による日常の活動と、数回実施した集中調査とによって約16,000点が作成された。対象とした歴史資料の内訳は以下の通りである。 1、藩侯の史資料 (1)藩主書状群 (2)家譜類 (3)書籍 (4)絵図 (5)地図 (6)指図 2、藩庁の史資料 (1)細川忠利達書群 (2)「上書」(家臣団政策提言集) (3)藩政関係一紙文書群 (4)藩政関係冊子群 【カード情報の電子データ化】上記の歴史資料・書籍群について、調書の情報をエクセル・ファイル上で電子データ化する作業を実施した。作業は2010年5月から2011年3月まで、約6,000点を完了した。 【史資料のデジタル撮影】上記1の(1)及び2の(1)について、デジタル撮影を行った。本作業は全国的にも貴重な近世初期の当主決済、家老・奉行合議の実態を示す資料群の公開に向けたものである。 【史資料の出版の展示】『永青文庫叢書絵図・地図・指図編I』を吉川弘文館から出版し(出版費は熊本県基金からの寄付金による)、熊本県立美術館「細川幽斎展」を共催し、さらに「熊本大学附属図書館貴重資料展」で戦国期の史料を一般の閲覧に供し、講演会も担当した。 【研究の国際化に向けた活動】上記の研究成果を国際的検討の俎上にのせる条件を獲得するため、研究代表者がボルドー第三大学(フランス)で開催されたシンポジウムで報告し、また安徽大学徽学研究中心(中国)を訪問して熊本大学文学部との研究交流協定を締結するなどした。 以上によって、我が国を代表する大名家資料群の目録データの学界共有と一般への公開、さらに成果の国際化の実現に、一歩接近し得た。
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