2011 Fiscal Year Annual Research Report
石刻史料と史料批判による魏晋南北朝史の基本問題の再検討
Project/Area Number |
22242022
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
伊藤 敏雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00184672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 啓郎 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60221537)
葭森 健介 徳島大学, ソシオ・アーツ・サイエンス研究部, 教授 (50191648)
關尾 史郎 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70179331)
窪添 慶文 立正大学, 文学部, 教授 (40011382)
中村 圭爾 相愛大学, 人文学部, 教授 (00047383)
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Keywords | 東洋史 / 魏晋南北朝史 / 石刻史料 / 墓誌 / 史料批判 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
研究参加者の役割分担等をもとに、以下のように研究を推進し、成果を挙げた。 1.5月、9月、12月に研究打合せを行い、研究計画・研究方法・研究状況・研究内容について共同討議を行った。特に、9月には窪添の研究報告、12月には張学鋒の講演をもとに、共同討議を行った。 2.9月に研究参加者のうち5名が中国西安で、西安碑林博物館・大唐西市博物館等を見学・調査し、墓誌などの石刻史料を実見・調査するとともに新出石刻史料等に関する情報を収集した。また、10月には伊藤・佐川等が中国太原で、太原市考古研究所・山西博物院等で墓誌などの石刻史料を実見・調査した。3月には、窪添・佐川等が洛陽で前年度入手の墓誌について補足調査を行った。以上の調査では、未発表墓誌を含む新出墓誌を実見することができ、本研究にとって意義深いものであった。 3.前年度に洛陽で入手した北朝・階代墓誌写真や拓本等をもとに釈文を作成したが、本年度はその校正作業を行い、3月の補足調査を加え、釈文をほぼ完成させた。 4.毛遠明『漢魏六朝碑刻校注 全10冊』(2008)収録墓誌に関するデータ・ベース化の継続の予定を変更し、新出墓誌を関する羅新・葉?『新出魏晋南北朝墓誌疏証』(2005)収録墓誌に関するデータ・ベース化を行った。 5.共同討議を踏まえつつ、各分担部分を中心に、文献史料や出土文物・文字資料、考古学的成果を利用して研究を推進した。その結果、本年度は、特に伊藤等による?州晋簡の研究や、福原・葭森・川合による貴族制や士庶に関する研究、窪添による長楽馮氏と北魏帝室の関係に関する研究、關尾による後秦の鎮人・鎮戸制の研究、佐藤による北魏仏教と儒教・道教との論争に関する研究、佐川による都城の研究等の成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
墓誌に関するデータ・ベース化がやや遅れているが、中国西安(9月)・太原(10月)の見学・調査で予想以上の成果を収めることができた上、共同討議を踏まえながら、各自の研究が順調に進展している。よって、全体として、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究参加者による共同討議と各自の研究を進展させるとともに、中国での墓誌など石刻史料の実見調査と新出墓誌の釈文制作を継続する。研究参加者が国内外の研究会・学会で研究報告を行うとともに、海外共同研究者を招聘し、国際学術シンポジウムを開催し、研究の到達点と課題を明確にした上で、更に研究を進展させる。やや遅れている墓誌に関するデータ・バース化をスピードアップしながら推進する。
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Research Products
(30 results)