2013 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル帝国成立史の解明を目指した環境考古学的研究
Project/Area Number |
22242025
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
白石 典之 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40262422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一美 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (20303919)
篠田 雅人 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (30211957)
村上 恭通 愛媛大学, 東アジア古代鉄文化研究センター, 教授 (40239504)
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 教授 (80274679)
佐々木 尚子 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 研究員 (50425427)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 環境考古学 / モンゴル帝国 / モンゴル / 中国 / 東洋史 / 考古学 |
Research Abstract |
本研究はモンゴル帝国の成立および興亡の背景を、環境考古学という新たな視点からとらえようと企図されたものである。本年度は5年計画の4年目にあたる。本年度の調査・研究は、モンゴル国での資料収集を目的とした発掘調査が中心となった。 5月から6月にかけて、モンゴル国ヘンティ県タワン・ハイラースト遺跡で、モンゴル科学アカデミー考古学研究所と共同して、モンゴル帝国期の墓地遺跡の発掘調査が行われた。ここはチンギス・カンが拠点を置いたアウラガ遺跡に近く、そこの住民たちの墓所だと考えられている。本年度は5基の発掘を行い、人骨や棺材など環境考古学的資料を得ることに成功した。分析は研究分担者を中心に行い、一部の年代測定や食性分析は外部委託で行った。現在、データの解析中である。 8月から9月にかけて、アウラガ遺跡の発掘調査を、科学アカデミー考古学研究所と共同で行った。市街地遺構から一基の住居跡を選別し、その調査を100平方メートルの規模で実施した。建築木材、食物残渣の炭化穀物粒、家畜獣骨などが発見された。帝国成立期の環境を知る上で重要な資料になろう。それらの分析も研究分担者と、年代測定などの一部は外部研究機関に委託して行われた。 そのような結果を踏まえ、平成25年末に、鳥取大学乾燥地研究センターで研究分担者と連携研究者による合同の研究集会が行われ、データの評価と、それらをまとめる研究叢書出版の計画が討論された。データの公開は次年度中に行えるように、整理体制の強化が図れることが決まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発掘調査により、13世紀前半の帝国勃興期の良好な環境考古学的データが得られたことは、非常に重要な成果だと考える。年代測定結果や食性分析結果も着実に集積されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度に向けて、資料整理体制の充実を図ることと、成果公開に向けた取り組みを重点的に行う方向で、研究計画を推進していく。
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Research Products
(2 results)