Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆男 関西大学, 文学部, 教授 (30388409)
高橋 誠一 関西大学, 文学部, 教授 (00025082)
朴 賛弼 法政大学, 工学部, 助手 (20350217)
中俣 均 法政大学, 文学部, 教授 (60135895)
岡 絵理子 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (60346187)
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Research Abstract |
本共同研究の目的は,東アジア世界のなかに位置する歴史的地域としての環東シナ海,環日本海沿岸域の相互の交流,衝突,融合,分立などを広義の「文化交渉」としてとらえ,それが表象された「かたち」である建築,集落,土地システムと,技術・信仰・儀礼を地理学,民俗学,建築学の学際的研究組織で総合的かつ複眼的に分析することである。最終目的は5サブ地域を総合した論集を刊行したい。 2011年度はその2年目にあたり,各人の分担分野での研究については,出雲,瀬戸内海,天草,東海地方,沖縄,長野県等で調査を行い,学会での発表をはじめ,紀要等への投稿が進んでいる。4月には第5回の研究集会を関西大学で東西学術研究所の研究例会も兼ねて開催し5名の発表があった。 11月には韓国済州島での国際シンポジウム「交流からみた韓国と日本の風土と暮らし-すまい・景観・経済-」を開催した。済州道立美術館講堂で大韓建築学会済州支会・関西大学東西学術研究所との共催で,プロシーディングスを刊行するとともに,9名の発表(韓国側5名,日本側分担者・研究協力者4名)があり,済州島の集落・民家についての現地討論も含め,両国研究者の交流を深めた。 2012年2月には第6回研究集会を知多半島で開催し,内海廻船をはじめとする日本沿岸域の文化交渉について話題提供(4名の分担者・研究協力者と1名のゲストスピーカー)・討論と臨地見学を実施した。 中間報告や資料提示のためのブックレットは2冊が進行中であるが,予算は2012年度支出となった。さらにメンバーの数名は東アジアでのフィールドワークは韓国の集落・民家,中国黒竜江省での北方稲作史調査,福建省での歴史GISのための予備調査等を行い,その成果をとりまとめ中である。また,この研究費による調査をもとにした中国・インド世界における茶の文化交渉についての博士論文が1編,関西大学で提出され,若手研究者の育成に貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた国際シンポジウムでは100名近い参加者を集めて済州市で開催できた。また,日本,中国,韓国での現地調査も頻繁に行われ,有効に研究費が使われている。ブックレット刊行については,近く刊行予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は,全体予算で法政大学沖縄文化研究所・関西大学東西学術研究所との共催による東京で4月下旬に研究集会,秋の北海道で研究集会と道南の沿岸部の共同調査,冬の出雲での研究集会を予定している。研究分担者・研究協力者には最終報告書にむけての論文構想を考えてもらい,できれば2013年度夏に京都で開催されるIGU京都会議で,海外の研究協力者も招聘してこの研究班での1つのセッションをもつことも考えている。
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