2012 Fiscal Year Annual Research Report
環東シナ海・環日本海沿岸域の文化交渉と歴史生態をめぐる学術的研究
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22242028
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
野間 晴雄 関西大学, 文学部, 教授 (00131607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 誠一 関西大学, 文学部, 教授 (00025082)
平井 松午 徳島大学, 総合科学部, 教授 (20156631)
朴 賛弼 法政大学, デザイン工学部, 助手 (20350217)
永瀬 克己 法政大学, デザイン工学部, 教授 (30061237)
森 隆男 関西大学, 文学部, 教授 (30388409)
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
中俣 均 法政大学, 文学部, 教授 (60135895)
西岡 尚也 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (60336360)
岡 絵理子 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (60346187)
山田 誠 龍谷大学, 文学部, 教授 (70086172)
伊東 理 関西大学, 文学部, 教授 (70116309)
山元 貴継 中部大学, 人文学部, 准教授 (90387639)
荒武 賢一朗 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (90581140)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 文化交渉 / 歴史生態 / 日本海 / 東シナ海 / 物質文化 / 北海道 / フロンティア |
Research Abstract |
3つの全体研究集会と各人の個別研究を行った。 ①2012年4月28日に法政大学で「日本沿岸域の文化と経済の交流」の共通テーマのもとで琉球と蝦夷地・北海道の文化交渉にかかわる4つの発表、永瀬克己「琉球域の伝統的民家と集落」、高橋誠一「日本と琉球の集落景観と地理思想」、山田 誠「北海道日本海岸の小港湾都市岩内の盛衰-歴史地理学の立場から-」、菊池勇夫「松浦武四郎『三航蝦夷日誌』(弘化・嘉永期)にみる松前・蝦夷地の沿海社会の地域性(地域差)を公開で開催し、その後、1年の研究計画を議論した。 ②11月1日~4日には北海道道南地方(函館~江差~長万部~岩内~余市~小樽~札幌)をメンバーで踏査し、4日は札幌大学で公開シンポジウム「歴史実体としての周縁―北海道・内と外から視点―」を実施した。桑原真人「内国植民地しての北海道」、平井松午「幕末期の蝦夷地警衛と明治期の北海道屯田政策」菫振江・野間晴雄「北海道稲作発展史の特質と研究の展望―中国東北地方の稲作展開からの照射―」、中俣均「周縁の島への贈り物―沖縄からの視点」が発表題目である。 ③2013年2月10日に「日本海域の文化交渉と出雲・石見・隠岐」のテーマで島根県立古代出雲歴史博物館で公開シンポジウムを開催した。茶谷満「弥生時代出土木製容器にみる交流」、荒武賢一朗「江戸時代日本海航路における出雲・隠岐の特質」、中安恵一「近世石見の民間芸能の海付村落―村落生活史から見た盆踊り・祭礼―」の話題提供と討論をして、翌日は島根半島・北前船寄港地(鷺浦,瓜生浦)の視察を行った。 個別研究としては、研究分担者、連携研究者、研究協力者が、ベトナム、ハノイとフエでの集落GIS調査、中国山西省での粉食調査、鳥取県(スキー場成立史研究)、石川県(白山麓の焼畑)、静岡県島田市(茶業)などの研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年間に3回も全体集会をフィールドで行い(東京、北海道、出雲市)、いずれも公開シンポジウム形式にして、一般市民への研究成果の社会還元にも留意した。 海外での調査も山東省でメンバーによる共同調査を行い成果を上げた。また若手の研究者、大学院生への研究の機会を与えることにも重きを置き、発表も研究集会でしてもらった。ベトナムからの研究協力者を招へいして研究交流も実現できた。集会には、Tran Anh Tuan(ベトナム国家大学ハノイ理科大学):Mountain Frontiers in Vietnam: Landscape Ecology, Agriculture and Developmentをめぐって議論した。
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Strategy for Future Research Activity |
各人の個別研究も順調に進捗しているが、全国学会等での発表はあまり多くないで、この方面での研究分担者、協力者への積極的参加を促す。さらに最終報告の出版物を念頭に置いて、2013年4月の研究集会に向けて、各人にそのタイトル・概要と全体のフレームワークへのアイディアを募っている。2014年9月をめどに論集の形で成果をとりまめ、しかるべき出版社からの刊行を考えている。それとは別に、この成果をもとに、関西大学での国際研究集会の素案や英文での発信も模索している。 2013年度はまず各人の研究成果をとりまとめるとともに、全国学会、国際学会で発信してもらうことを第一義に考えたい。2013年8月に京都で開催されるIGU京都会議では2つの発表を行うとともに、この全体プロジェクトのアピールも試みる。
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Research Products
(40 results)