2012 Fiscal Year Annual Research Report
中国、ベトナム、ロシアおよび中央アジア諸国の裁判統制制度に関する比較総合研究
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22243002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉浦 一孝 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80115584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎京 正訓 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40126826)
市橋 克哉 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40159843)
宇田川 幸則 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80298835)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 基礎法学 / 比較法 / 裁判 / 社会主義国 / 体制移行国 / 裁判統制 |
Research Abstract |
平成24(2012)年度に実施した本研究の実績は、以下のとおりである。 2012年8月25-26日に名古屋大学で研究会を開催した。研究会では、本研究の課題に関する個別報告のほか、前年度に実施したロシアおよび中国の裁判統制制度の現地調査の結果が報告された。とくに裁判官と裁判所の長との関係(フォーマルな関係だけでなく、インフォーマルな関係も含む。以下、同じ)、上級裁判所と下級裁判所との関係および裁判所と外部機関との関係に焦点を絞り、これらの関係においてどのような裁判統制の事象が存在するのかについての調査結果が報告され、2ヵ国に共通して見られる裁判統制の形態とそれぞれに固有の裁判統制の形態の存在が確認された。 2012年度にも、海外での現地調査を実施した。ベトナム研究グループが2013年2月18-22日に、中央アジア研究グループが同年2月18-23日に現地調査を行い、中国研究グループも2012年12月27-30日と翌2013年3月6-10日に現地で補充調査を行った。ベトナムでは、おもにハノイ法科大学の裁判法の専門家と面談して調査するとともに、ベトナムに対し法整備支援を行っているJICAや国連開発計画の現地オフィスに勤務する法律家とも面談し、必要な情報を入手した。ウズベキスタンでは、タシケント国立法科大学で裁判統制をテーマにしたワークショップを行うとともに、元司法大臣や元最高裁判所長官等と面談をし、重要な情報を入手した。中国では、中国共産党による裁判統制の中核的機関である中国共産党政法委員会の実態に関する補充調査を行った。これは、政治的に非常にデリケートな問題であるため、面談者のほとんどは、匿名を条件に面談に応じ、貴重な情報を提供してくれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24(2012)年度も、研究対象国ごとに研究グループを編成しており、そのグループごとの研究に必要な連絡もおおむね順調に行われている。ただ、前年度に引き続き、研究分担者や連携研究者の中にそれぞれの大学で重職に就いている者が少なからずいるため、若干遅れているところもあるが、その点は、他の研究者がカバーしており、研究全体としては、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25(2013)年度は、本研究の最終年度であり、各研究グループが行ってきた本研究課題にかかわる文献資料の分析およびヒアリングを含む現地調査の結果にもとづいて、研究成果をまとめることになっている。そのため、7月下旬または8月上旬に名古屋大学で研究会を開催し、研究組織メンバー全員がそれぞれの担当テーマに関する研究論文の構成および内容について報告をし、研究会全体で研究成果のまとめの方向を確認する。
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Research Products
(11 results)