2011 Fiscal Year Annual Research Report
フラグメンテーション、タイムゾーン、およびその動学的帰結
Project/Area Number |
22243024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中西 訓嗣 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20237324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
上東 貴志 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (30324908)
出井 文男 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (90093541)
土居 潤子 関西大学, 経済学部, 准教授 (00367947)
胡 云芳 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (30379466)
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Keywords | オフショアリング / グローバリゼーション / 並行輸入 / ネットワーク形成ゲーム / 自由貿易協定 / 繰り返しゲーム / 不決定性 / 動学的貿易モデル |
Research Abstract |
第1グループ(静学的枠組みを出発点とした理論モデルの構築): (a)南北貿易において,北にオフショアリングを実施する企業としない企業が共存することに着目し,"0-ring"生産理論を用いてオフショアリング費用の低下が南・北の経済厚生に及ぼす影響について解明した。(b)非対称3国モデルを用いてFTAネットワーク形成ゲームについて分析し,3国間の非対称性が大きい場合と小さい場合とにおける安定的なFTAネットワーク構造の違いについて解明した。 第2グループ(動学的枠組みを出発点とした理論モデルの構築): (a)2国・動学的貿易モデルを用いて国際援助の厚生効果を分析した。不決定性をもつ均衡点の近傍での援助によって,ある種のトランスファーパラドクスが生じることを示した。(b)財と資本の国際移動を含む2国・動学貿易モデルの動学的安定性を分析した。(c)2国・無限期間・関税設定ゲームを分析した。あるクラスの部分完全均衡では,明示的な取り決めがなくても関税の漸進的削減が可能であることを示した。(d)輸出と海外直接投資(FDI)を同時に行う企業による現地企業の部分所有と種々の政策的介入の効果の関係について分析した。(e)並行輸入と組織化された労働組合との交渉賃金との関係を分析した。 国内外の研究ネットワークの構築: (a)McGill University(Canada)よりNgo Van Long教授を招聘し,指導助言を受けるとともに,タイムゾーンに関する共同研究を開始した。(b)同教授による連続講演会(計4回)を実施し,本プロジェクトのメンバーによる動学ゲームに関する最新知識の習得と共有化を図った。(c)国内研究集会(於 尾道大学,2011年8月25日~26日)を開催し,これまでの研究成果を報告するとともに,プロジェクトのメンバーと関連領域の国内研究者との交流を図り,全後の展闘についての意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定に沿って,内外の査読付き学術誌および学会・セミナー等を通じて第1グループ・第2グループともにそれぞれのテーマに沿った研究成果を着実に発表してきている。また,共同論文の作成や研究集会・アドバイザリー等を通じて,国内外の協力者との研究ネットワークの構築も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,研究テーマに関する討議を行う。また,これまでの研究蓄積についてメンバー間で再検討し,パートナーの組み換え,新パートナーの加入をも含んだより自然な共同研究体制の(再)編成を考える。さらに,平成24年度末には研究期間の中間点を迎えるので,国内外の関係者を集めた中規模のワークショップを開催し,それまでの研究成果を発表し,積極的に意見交換を行い,後半の共同研究に活用することを考えたい。
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